【英国最高の文学賞ブッカー賞受賞作】
詩的散文。
どこまでも広がる物語の唐草模様。
途中で止めるわけにはいかない。
廃墟のごとき屋敷で顔も名前も失った男が語る美しく妖しい物語
砂漠に墜落し燃え上がる飛行機から生き延びた男は顔も名前も失い、廃墟のごとき屋敷に辿り着いた。
世界からとり残されたような場所へ、ひとりまたひとりと訪れる、戦争の傷を抱えたひとびと。
それぞれの哀しみが語られるとともに、男の秘密もまたゆるやかに、しかし抗いがたい必然性をもって解かれてゆく──英国最高の文学賞、ブッカー賞五十年の歴史の頂点に輝く至上の長編小説。
訳者あとがき=土屋政雄/解説=石川美南
今日はスリランカ系カナダ人作家マイケル・オンダーチェの誕生日。『イギリス人の患者』では第二次世界大戦中に重い火傷を負い風貌さえ判らなくなった男の物語を綴った。1985?1992年の執筆時期にカナダで高揚したナショナリズムは、小説中のカナダ人看護婦ハナやシーク人キップの人物造形に影響した。 pic.twitter.com/5Fa2C3jxmQ
— 小川公代 (@ogawa_kimiyo) September 11, 2018
著者について
マイケル・オンダーチェ
1943年セイロン(現在のスリランカ)、コロンボ生まれ。トロント大学で学士号を、クイーンズ大学で修士号を取得。70年『ビリー・ザ・キッド全仕事』が高い評価を受け、カナダ総督文学賞を受賞。小説では、92年『イギリス人の患者』がカナダ総督文学賞とブッカー賞を、2000年『アニルの亡霊』がカナダ総督文学賞とギラー賞とメディシス賞を受賞。07年『ディビザデロ通り』で、三度目のカナダ総督文学賞受賞となる。16年にはカナダ勲章の最高位にあたるコンパニオンの称号が授与された。18年、ブッカー賞五十周年を記念して歴代受賞作から最高の作品を選ぶゴールデン・マン・ブッカー賞を『イギリス人の患者』が受賞。
土屋 政雄
翻訳家。訳書にイシグロ「日の名残り」、モーム「月と六ペンス」、バーンズ「終わりの感覚」、スタインベック「エデンの東」、ウルフ「ダロウェイ夫人」、マコート「アンジェラの祈り」他多数。
↓映画化されオスカーを受賞しています。
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