星を掬う 町田そのこ(著) 中央公論新社 (2021/10/18) 1,760円

町田そのこ 2021年本屋大賞受賞後第1作目は、すれ違う母と娘の物語。

小学1年の時の夏休み、母と二人で旅をした。

その後、私は、母に捨てられた――。

ラジオ番組の賞金ほしさに、ある夏の思い出を投稿した千鶴。

それを聞いて連絡してきたのは、自分を捨てた母の「娘」だと名乗る恵真だった。

この後、母・聖子と再会し同居することになった千鶴だが、記憶と全く違う母の姿を見ることになって――。

「母に捨てられたことによりその後の人生が上手くいかなくなったと思う娘は元夫が原因で離婚後の人生も苦労をしている。
そんな娘がふとしたきっかけで母親と一緒に住んでいる見知らぬ人との共同生活を送るようになる。

母娘の気持ちが異なる立場によってすれ違っている描写が丁寧に描かれている。
不器用な登場人物達と背景設定によって重苦しい気持ちで読み進めるが、ラストはきちんと着地している。
辛い体験を乗り越える女性の描写としては丁寧で心にしみる部分もあるが、ただ悪役の男たちについては、これで良いのかなという中途半端さは残る。

社会的に弱い立場に寄り添って描く著者らしいスタイルの作品ではある。」


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