-196℃のゆりかご 藤ノ木優 (著) 小学館 (2024/3/19) 1,650円

母はなぜ、義母だと嘘をついたのか

明日見つむぎはごく幼い頃に父と母を亡くし、母方の親戚である奈緒に引き取られた。

奈緒は心に不調を抱えながらも「義母」としてつむぎを懸命に育てる一方、心の距離を取ることにはこだわり、「母」と呼ばれることをかたくなに拒んでいた。

そんなある日、病院から奈緒が倒れたと連絡が入る。持病の子宮腺筋症が悪化し、大量に出血したのだという。

急ぎ病院に駆けつけるつむぎだったが、そこで医師から奈緒の病状だけでなく、奈緒がつむぎの実の母親であることも告げられる。

信じがたい話に愕然とするが、医師が持つカルテには、たしかにこの病院で奈緒がつむぎを出産したことが書かれていて――。

母はなぜ、義母だと嘘をついたのか。

18年間隠された出生の謎を追う、現役医師作家が描く圧巻の家族小説。


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