『名将言行録』に学ぶリーダー哲学 川崎享 (著) 東洋経済新報社 (2021/5/28)

『名将言行録』は、戦国時代の武将から江戸時代中期の大名まで、日本を代表する名将の言行を収録した逸話集。

幕末の館林藩士である岡谷繁実(1835‐1920)が、アメリカのペリー提督が率いる使節団を目の当たりにして衝撃を受け、「日本人の精神的指針」を示す必要性を痛感したのをきっかけに執筆を開始。

1300以上の歴史書を渉猟・抜粋し、実に16年の歳月をかけて明治2(1869)年に完成し、明治9(1876)年に刊行された。

以来、政財界のトップをはじめ在野の多くの人々によって読み継がれ、明治42(1909)年の増刷版の刊行に際しては、長年にわたって愛読していた大隈重信が序文を寄せたことでも知られている。

本書はオリジナルの『名将言行録』から93名の人物による100の言葉をピックアップし、見開き2ページで名言の意味や背景を解説。

戦国武将たちを組織のトップ、リーダーと捉え、現代社会のあらゆる組織に属する人に向けて、応用しやすい解釈を行っている。

戦国時代、特に、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康により天下統一が行われるまでの日本は、下剋上、弱肉強食、合従連衡が繰り返し行われ、めまぐるしく情勢の変化する混沌とした状況にあった。

一方、現代の日本はバブル経済の崩壊以降、20年以上にわたって経済の低迷を経験する中で従来の価値観が通用しなくなり、自然災害や感染症の問題に直面する現在にあっては、ますます不確実性が増している。

戦国時代と現代、この2つの時代状況には似たものを感じずにはいられない。

およそ100年にわたって武将たちが合戦を繰り返した戦国時代には、魅力溢れるトップが次々と登場して活躍した。

彼らが残した言動や逸話には、現代を生きる人間にとっても、大いに役立つ教訓が多く残されている。

「名将言行録を紐解けば、本物のリーダーの本質を捉え、現代でも生かすことができる一冊。いかに一流のリーダーが大切か。見開き1ページに武将1人がわかりやすくまとまって書かれている。写真も筆者がわざわざ足を運び撮ってきたもので細部までこだわりがみえる。」

「93名の名将が登場し、はじめて聞く武将も多く、この名将の生き様は潔いとか、天下を取った名将はこういう考えや行動をされたのかなど、とても興味深い内容でした。」

「毎回楽しみにしている「〇〇に学ぶリーダー哲学」シリーズの最新です。今回も同様の構成で、わかりやすく、まとまっているため、とても読みやすいです。4つの大項目に分かれての合計100本。他にも内容に関連したコラムもあって、プラスアルファの楽しみもあります。名将の名前や行った概要は知っているものの、具体的な言葉や行動は知らないので、とてもためになり、さらに身近に感じてきます。
学生の頃、歴史の授業を受けていたときは、「〇年に〇が〇した」と試験対策の簡素な内容がほとんどでしたので、本書があったらより理解して頭に入ってきやすかっただろうな、と思います。ですので、歴史の授業を受けているお子さんなどにもおすすめです。
昔の出来事を、今の時代でイメージできるように説明されてもいて、とても親切な内容にもなってます。」


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