教養・文化シリーズ 別冊NHK100分de名著
少女漫画の概念を変えた稀代のストーリーテラー。その先進性と深遠な哲学に迫る!
少女漫画史に燦然と輝くトップランナー、萩尾望都。半世紀にわたって、ファンタジー、ミステリー、SFなど幅広いジャンルを舞台に、実存、不条理、魂の救済、差別、家族の相克など普遍的な哲学的命題を提示し続けてきた。
その深遠な世界観を、いずれ劣らぬ萩尾愛に満ちた4人の論者が語りつくす!
2021年正月に放送され反響をよんだ番組「100分de萩尾望都」待望のムック化。萩尾望都自身のインタビューも収載。
【内容】
『トーマの心臓』をよむ――小谷真理
『半神』『イグアナの娘』をよむ――ヤマザキマリ
『バルバラ異界』をよむ――中条省平
『ポーの一族』をよむ――夢枕獏
萩尾望都インタビュー
著者について
SF&ファンタジー評論家。1958 年生まれ。フェミニズム的な観点に基づくSF・ファンタジー評論の第一人者として活発な活動を続けている。92年、共訳書『サイボーグ・フェミニズム』で第2回日本翻訳大賞思想部門受賞。94年、『女性状無意識―女性SF論序説―』で第15回日本SF大賞受賞。著書に『テクノゴシック』『星のカギ、魔法の小箱―小谷真理のファンタジー&SF案内―』など。
漫画家、エッセイスト、東京造形大学客員教授。1967 年生まれ。国立フィレンツェ・アカデミア美術学院で、油絵と美術史を専攻。1997年より漫画家としての活動を開始。漫画の代表作に『テルマエ・ロマエ』(第3回マンガ大賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞受賞)、『プリニウス』(とり・みきとの共作)など。 エッセイに『国境のない生き方』『ヴィオラ母さん』『たちどまって考える』など。
学習院大学教授。1954年生まれ。学習院大学文学部フランス語圏文化学科教授。パリ大学文学博士。フランス文学の研究、翻訳はもとより、映画、音楽、マンガの評論など幅広い分野で活躍。著書に『最後のロマン主義者――バルベー・ドールヴィイの小説宇宙』、『反=近代文学史』、『マンガの論点』、『NHK「100分de名著」ブックス アルベール・カミュ ペスト~果てしなき不条理との闘い』など。
作家。1951年生まれ。77年に作家デビュー後、『キマイラ』『サイコダイバー』『闇狩り師』『餓狼伝』『大帝の剣』『陰陽師』などのシリーズ作品を発表。 89年『上弦の月を喰べる獅子』で日本SF大賞、98年『神々の山嶺』で柴田錬三郎賞、『大江戸釣客伝』で2011年に泉鏡花文学賞と舟橋聖一文学賞、12年に吉川英治文学賞を受賞。18年紫綬褒章受章。
こんにちは☺️
こちらは今、NHK の 100分で名著の
「時をつむぐ旅人 萩尾望都」を読んでいます^^ 今年1月に放送があった分のテキストで、注釈もついていてわかりやすくておもしろいです😊— 港マチ (@kominatobashi) June 13, 2021
「「テルマエ・ロマエ」の作者ヤマザキマリ氏の書評が、私には最も肌に合った。「社会を斜めから見て育った」という氏の視点から「イグアナの娘」「半身」を読み解く姿は、まさに多様性の世界を体現しているように感じられる。「半身」をギリシャ悲劇や、カフカの、実存的かつ形而的作品「変身」に例えるくだりは、流石ヤマザキマリ氏という感じである。奇しくも、「自画像と他者から見た自分との剥離」という、この作品を総括した氏の言葉は、先に出版された「一度きりの大泉の話」という作品から滲み出す、萩尾氏の苦悩を的確に言い表しているようで、肌が粟立つのを感じた。」
「放送されたものより内容も濃く、其々の解説者の考察の深く、萩尾望都ファンなら持っておくべき一冊でしょう！
専門用語や、作品、文献等、知識が必要と思われる部分には、丁寧な注釈もあり、関係する実際のページも表示されており、大変見やすく、分かりやくなっています。
特に、難解とされる「トーマの心臓」の小谷真理氏による考察と解説は、的確です。
「少年愛」や「ボーイズラブ」のカテゴリに、安易に入れられる事に憤りを感じていた1人としては、萩尾望都氏が真に伝えたかった事が正しく解説されている事を高く評価したいと思います。
他の方々も鋭く興味深い考察をされており、
内容の濃い、真の「萩尾望都解説書」だと思います！」「今回の書籍化では番組内のトークを単にまとめたものなのかな？なんて思ってましたが、全然まとめるどころじゃなくゲストの皆さまが望都先生への愛と尊敬を、嬉々としてより深く掘り下げて語っていました。
つまり、正月に味わった感動を焼き直しじゃなく再び味わう事が出来るのです！！やったね！すごくラッキーな人生だね！とまで感じちゃいました。ひとつ欲を言えば、もう少しお高くなってもいいからTVで放映されたのをDVDで付けて欲しかったです。もしくはDVD化した物を販売して欲しい。
とにもかくにも、私の中では萩尾望都先生関連の大切な一冊となりました。」
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