ジェンダーと脳 性別を超える脳の多様性 ダフナ・ジョエル(著)、ルバ・ヴィハンスキ(著)、鍛原多惠子(翻訳) 紀伊國屋書店 (2021/8/31) 1,980円

性差はある。だが女脳/男脳は存在しない。

30分間、ストレスを受けたからといって、あなたの生殖器が女性から男性へ、男性から女性へと変わることはありえない。

だが、このありえないことが脳の神経細胞では起こりうる。

脳はホルモン、ストレス、薬物、環境などあらゆる影響を受けて驚くほど柔軟に変化する。

脳に見つかる男女間の平均的な性差は、現れてはまた消える。だから、脳には性別はないのだ。

人の脳は、一人ひとり異なっており、様々な特徴の入り混じる《モザイク》になっている。

人間の脳や心の複雑さは女/男という二分法ではとらえきれない。

画期的な「脳モザイク論」で脳の性差をめぐる議論に一石を投じた気鋭の神経科学者が、性別とジェンダーに対する固定観念を打ち砕くサイエンス読み物。9か国で刊行が決定している注目の書。

【目次】
I 性別と脳
第1章 覚醒
第2章 ねじ曲げられた事実の歴史
第3章 脳の性差が積み重なると
第4章 生まれか育ちか

II 人間はモザイク
第5章 変化する脳
第6章 性別がすべてではない
第7章 脳のモザイク
第8章 現れては消えるわけ
第9章 ブラインドデートに何を期待する<? br> 第10章 脳のタイプ――典型的な脳と稀な脳
第11章 ストレス下の女と男
第12章 健康のモザイク
第13章 心のモザイク

III ジェンダーの何が問題か
第14章 男女というバイナリーから多様性のモザイクへ
第15章 ジェンダーという幻想
第16章 バイナリーの洗脳

IV ジェンダーのない世界へ
第17章 ジェンダーという神話にどう対処するか
第18章 混ざりあうジェンダー
第19章 ジェンダーフリーの教育
第20章 子どもたちをジェンダーから解放する
第21章 ジェンダーへの気づき
第22章 行動に移す
第23章 未来の展望

原注
参考文献
索引
謝辞

【著者】
ダフナ・ジョエル(Daphna Joel) │イスラエルの神経科学者(Ph.D)。.テルアビブ大学で神経科学・心理学を教えている。人間と動物の行動の脳メカニズムが専門。本書が初の著書。

ルバ・ヴィハンスキ(Luba Vikhanski) │イスラエルのワイツマン科学研究所のサイエンス・ライター。『ニューヨーク・タイムズ』紙や『ネイチャー・メディシン』誌などに寄稿する。

【訳者】
鍛原多惠子(かじはら・たえこ) │翻訳家。ホニグスバウム『パンデミックの世紀』、ライアン『文明が不幸をもたらす』、アル=カリーリ『サイエンス・ネクスト』、コーバリス『意識と無意識のあいだ』ほか多数。


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