灰の劇場 恩田陸 (著) 河出書房新社 (2024/2/6) 880円

「飛び降り2女性の身元わかる」――

始まりは、「三面記事」だった……

新たな恩田陸ワールド、開幕。

文庫版特別収録=「灰の劇場0?+」「文庫版あとがき」。

「山あり谷ありのドラマティックなストーリーではなく、イメージと心象風景を丹念に重ねて、深い世界を表現。
ずしんと胸に来る、厚みのある物語。
読後思わず、自分が存在しなくなった後の視線で、部屋を眺めてしまいました。」

「橋の上から投身自殺した中年女性2人組の記事を目にすることで、物語が始まる。
自殺した2人を知らないけど知っている感覚で、作家は執筆を進めていく。
何気ない日常と突然訪れる死。
死が迫る恐怖が描かれているわけではないし、グロい描写ではないのだが、何か得体のしれない恐さが伝わる。
作家の日常描写の中で途中混乱させられ、中年女性2人に突然訪れる不安が日常を終わらせる。
最後2人が出かけるときに、家の鍵を開けておくか閉めておくかという会話が妙にリアルでぞわっとする。」


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