今日の花を摘む 田中兆子 (著) 双葉社 (2023/6/21) 2,090円

私の趣味は、男性との肉体を伴ったかりそめの恋。

それを、私はひそかに「花摘み」と呼んでいる――。

出版社に勤めるかたわら茶道を嗜む愉里子は、一見地味な51歳の独身女性。

だが人生を折り返し、「今日が一番若い」と日々を謳歌するように花摘みを愉しんでいた。

そんな愉里子の前に初めて、恋の終わりを怖れさせる男が現れた。

20歳近く年上の茶の湯の粋人、万江島だ。だが彼には、ある秘密があった……。

肉体の衰えを感じ始めた世代のリアルな性愛を軸に、自分を偽らずに生きる女たちの姿と、その連帯を描いた著者初の長編小説。

「田中兆子の小説は、読み終わっても後に響く。
筋立ても見事だが、縦糸以外の様々な糸が鮮やかに表に出るのではなく、光の加減によって鈍く鋭く見え隠れするようなのだ。そして半跏思惟像謎の様な微笑みを暗がりからよこしてみせる。その微笑みをどう解釈するか?」

「大人のエロスを感じます。主人公他登場人物の心理描写が詳細で、女性全員がこのやつに考えるかは置いておいて、男子としては参考になります。」


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