私の趣味は、男性との肉体を伴ったかりそめの恋。
それを、私はひそかに「花摘み」と呼んでいる――。
出版社に勤めるかたわら茶道を嗜む愉里子は、一見地味な51歳の独身女性。
だが人生を折り返し、「今日が一番若い」と日々を謳歌するように花摘みを愉しんでいた。
そんな愉里子の前に初めて、恋の終わりを怖れさせる男が現れた。
20歳近く年上の茶の湯の粋人、万江島だ。だが彼には、ある秘密があった……。
肉体の衰えを感じ始めた世代のリアルな性愛を軸に、自分を偽らずに生きる女たちの姿と、その連帯を描いた著者初の長編小説。
恋って、人に出会うことじゃなく、自分を発見することかも! 田中兆子さんの新刊「今日の花を摘む」(双葉社)めちゃめちゃ面白かったです。 pic.twitter.com/KjrfrFUUAf
— 佐藤真由美 (@mayumist1120) November 29, 2023
「田中兆子の小説は、読み終わっても後に響く。
筋立ても見事だが、縦糸以外の様々な糸が鮮やかに表に出るのではなく、光の加減によって鈍く鋭く見え隠れするようなのだ。そして半跏思惟像謎の様な微笑みを暗がりからよこしてみせる。その微笑みをどう解釈するか?」「大人のエロスを感じます。主人公他登場人物の心理描写が詳細で、女性全員がこのやつに考えるかは置いておいて、男子としては参考になります。」
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