著者七年ぶりの新作長編!直木賞受賞第一作
その年の七月、丸田君はスマホに奇妙なメッセージを受け取った。
現実に起こりうるはずのない言い掛かりのような予言で、彼にはまったく身におぼえがなかった。
送信者名は不明、090から始まる電話番号だけが表示されている。
彼が目にしたのはこんな一文だった。
今年の冬、彼女はおまえの子供を産む
これは未来の予言。
起こりうるはずのない未来の予言。
だがこれは、まったく身におぼえのない予言とは言い切れないかもしれない。
これまで三十八年の人生の、どの時代かの場面に、「彼女」と呼ぶにふさわしい人物がいるのかもしれない。
そもそも、だれが何の目的でこの予言めいたメッセージを送ってきたのか。
丸田君は、過去の記憶の断片がむこうから迫ってくるのを感じていた──。
三十年前にかわした密かな約束、
二十年前に山道で起きた事故、
不可解な最期を遂げた旧友……
平凡な人生なんていったいどこにあるんだろう。
『月の満ち欠け』から七年、かつてない感情に心が打ち震える新たな代表作が誕生。
読む者の人生までもさらけ出される、究極の直木賞受賞第一作!
文芸書より注目新刊!
『冬に子供が生まれる』
佐藤正午 小学館
直木賞受賞した『月の満ち欠け』発表が2017年ですが、7年ぶりの新刊です pic.twitter.com/rQWWSfqE4t— 文苑堂書店福田本店(書) (@bunendo_FUKUTA) January 29, 2024
「私にとって、この作品は、流れるような物語には読み応えがあり、さまざまなイメージを喚起するものはあるが、その物語の核心は霧の向こうにある。物語を書くことによる、「私」の再生がテーマなのだろうか。自分で読み直してみても、よくわからないレビューになったが、私はこの作品の価値や本質を掴めていないのだろう。評価は標準点としての☆3つとした。これは私の書いた62番目のレビューである。2024年2月2日読了。」
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