ひまはアスパーガール こだまちの (著) 協同医書出版社 (2022/6/10) 1,650円

発達障害の娘と母の日常を綴った、ちょっと笑える【子育てコミックエッセイ】

ベストセラー『どうして普通にできないの! 』(2017年刊)で不安と孤独を抱えながら成長した自らの経験を綴った著者が、やはり発達障害と診断された娘「ひま」の誕生から中学までの15年の子育てを振り返りながら綴ったコミックエッセイ。

悩みぶつかりながら互いに奮闘し成長する娘と母の日常を、ちょっとコミカルに丁寧に描き上げました。

「ひま」はとにかく大きな声でよく泣く子。

寝起きも大泣き、おっぱいを偏愛し、離乳食は拒否(卒乳はなんと4歳直前)。

でもハイハイより先に「立っち」を獲得するほどの成長ぶりでもありました。

母である著者によれば、育児書で役に立ったのは「育児書通りにはいかない」という一文だけだった…という個性的な子です。

1歳半健診で「引っかかった」ものの母は娘の発達に何の疑念もなく、でもお友だちとの関わりが増えるにつれ心配な面が見えてきます。

前半は、療育センターに「お悩み相談」へ行くことを決心し、診断が下りるまでのこうしたさまざまなエピソード。

著者は娘が幼い時に、「こんなときはどうすればいいか」をなんとか教えてあげたくて、ノートに絵や文を描いて見せていました。

その実際のノートの一部を中程に掲載。当時のノートの外側に、著者が現時点から振り返って筆を加えています。

そして後半は「ひま」の小学校・中学校のエピソード。

やはりお友だちとの関係で悩んだり、弟に理不尽に接したり、学校の先生も塾の先生も怖くて蕁麻疹が出たり、母の悩みも尽きません。

でも少しずつ確実に成長する「ひま」の姿がそこにはあります。

人はそれぞれ、親子もそれぞれ、家庭の事情もそれぞれです。

でもこの娘と母の物語は、同じような子育て経験のある読者には共感を、子育て経験のない読者にも「普通」ではないことを否定しない大切さを、笑いを交えて伝えています。

おもなエピソードタイトル
◇泣いて泣いて寝ないひま
◇おっぱいは寝る時の必須アイテム
◇虐待を疑われかねない絶叫
◇離乳食断念
◇並行遊びだから大丈夫
◇ひとりの世界でお喋り大好き
◇1歳半健診
◇人んちの子を見て驚く
◇育児が孤独
◇古いひまの写真
◇保育園探し
◇3か月で転園
◇ストレス反応
◇ひどくなる癇癪
◇分からない子に怒るのって難しい
◇ほめるのだって難しい
◇アレンジは御法度
◇葛藤するひま
◇療育センターを決心
◇ひまに伝えたい! おきてノート
◇就学したものの
◇母の就業をめっちゃ応援した理由
◇言葉と心の関係
◇自分が他人にしていることには疎い
◇お友だちとうまくいかない
◇一度気になると止められない
◇鈍感と敏感のアンバランス
◇親は歯がゆい
◇塾の先生が怖い(適応障害)
◇スクールカウンセラーにかかる
◇塾難民
◇診断名を伝える時がきた
◇意外に多い発達障害の子
◇特別ぽくて嬉しがる
◇学校に行かなくて良いか
◇ペース配分できない
◇将来が他人事
◇これからのひまを思う

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