緩和ケア医による「死に方」の教科書
眠るように穏やかに死ぬための本
――なぜ病院で死ぬことは苦しいのか?
なぜ、病院で死ぬのは苦しいのか?
死そのものは本来、苦しいものではありません。
しかし、病院で治療を続けると、体力の限界まで「生きさせられる」から苦しいのです。
――私はこの本で、人生の最終章には、「病院で治療する」という選択肢以外にも、治療をやめて「家で生き抜く」(それはつまり「家で死ぬ」)という選択肢があることを知ってほしいと思います。
病院での治療をやめて、自宅で生きることを選んだ患者さんの最期は、病院で見られる絶望的な「死」とは異なります。
私は病院医療と在宅緩和ケアの両方を見てきた立場として、こう断言します。
「終末期の患者さんは、病院での延命治療をやめて、自宅に戻ってすごしたほうが人間らしく生きられる」
「家で死のう!」萬田緑平
発売直後に重版決定。
現在、Amazon総合ランキング23位。売れたら儲かるから嬉しいけど、
それ以上に、
この本の内容がたくさんの人に伝わることがもっと嬉しい。絶望的な死を回避できる人が一人でも増えるから。
ひさびさにピュアな感情が。 pic.twitter.com/uksVxeI2tY
— 堀田孝之@書籍編集者?古本屋 (@takayukiantao) June 25, 2022
著者について
萬田緑平(まんだ・りょくへい)
1964年生まれ。群馬大学医学部卒業後、群馬大学附属病院第一外科に勤務。手術、抗がん剤治療、胃ろう造設などを行なう中で、医療のあり方に疑問を持つ。2008年から9年にわたり緩和ケア診療所に勤務し、在宅緩和ケア医として2000人の看取りに関わる。現在は、自ら開設した「緩和ケア 萬田診療所」の院長を務めながら、「最期まで精一杯生きる」と題した講演活動を日本全国で年間50回以上行なっている。
〈家族の中には、自分たちだけで死の瞬間がわかるのかと不安に思う人がいますが、誰でも呼吸が止まったことはわかるものです。初めての人でもわかります。〉74頁
萬田緑平(緩和ケア医)『家で死のう!』
老いと病の果てに死ぬとはどういうことなのか、心電図モニターなしで看取れるのかetc pic.twitter.com/5nHZRT0YRH
— urbansea (@urbansea) June 30, 2022
「後期高齢者です。タイトルにした言葉が心に沁みました。もう治らない状態になったなら諦めて、苦痛をできるだけ取り除くことをお願いして、自然なコースで安らかに逝きたいと思います。脳が限界になるまで生きられる時代がきたのだから、もういいだろうと思う、と書かれていますが、深い共感を覚えました。異論があるお医者さんもいらっしゃるかもしれませんが、私の希望はこの本の通りです。信念が覚悟となり、安心して最後の日まで生きようと明るい気持ちにさせていただきました。」
「介護の仕事していると、いつの間にか「自分の技術で」「自分が何とか出来るかも」なんて考えが先行してしまうことがある。私は「呼び水」。そこに帰ることの出来る一冊。「ありがとう」は最高の薬。この言葉は響いたな?私の感想は死ぬための本では無く、自分らしく生き抜く為の本だと感じた。」
「まだまだ死なないと信じて疑ってない若い人にも今から読んで欲しい。体も心も元気な今を慈しんで日々大切にしたくなる本です。最後に作者が自分の理想的な最期について書かれているが、私もほぼ同意見です。ここ10年以内に三人の両親と義父を見送りましたが、いづれも延命治療はされなかった。結局はその時、本人はもう答えられなくなっているので、家族に委ねられる。義父にいたっては『早く死にたい』が口癖だったし、延命をしたところであと何日生きられるという状況だった。寝たきりのあと少しの長生きになんの意味があるのか?と。」
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