生き物の死にざま 稲垣栄洋 (著) 草思社 (2021/12/3) 825円

すべては「命のバトン」をつなぐために──

ゾウ、サケ、セミ、カマキリ、タコ……

生命の[最後の輝き]を描く

哀切と感動のベストセラー、待望の文庫化!

生き物たちはみな、最期のその時まで命を燃やして生きている──

数カ月も絶食して卵を守り続け孵化(ふか)を見届け死んでゆくタコの母、

地面に仰向けになり空を見ることなく死んでいくセミ、

成虫としては一時間しか生きられないカゲロウ、

老体に鞭打ち決死の覚悟で花の蜜を集めるミツバチ……。

生き物たちの奮闘と哀切を描き感動を呼んだベストセラーの文庫化。

いきも生き物イラスト30点以上収載。

<目次より>
1 空が見えない最期──セミ
2 子に身を捧ぐ生涯──ハサミムシ
3 母なる川で循環していく命──サケ
4 子を想い命がけの侵入と脱出──アカイエカ
5 三億年命をつないできたつわもの──カゲロウ
6 メスに食われながらも交尾をやめないオス──カマキリ
7 交尾に明け暮れ、死す──アンテキヌス
8 メスに寄生し、放精後はメスに吸収されるオス──チョウチンアンコウ
9 生涯一度きりの交接と子への愛 タコ
10 無数の卵の死の上に在る生魚──マンボウ
11 生きていることが生きがい──クラゲ
12 海と陸の危険に満ちた一生──ウミガメ
13 深海のメスのカニはなぜ冷たい海に向かったか──イエティクラブ
14 太古より海底に降り注ぐプランクトンの遺骸──マリンスノー
15 餌にたどりつくまでの長く危険な道のり アリ
16 卵を産めなくなった女王アリの最期──シロアリ
17 戦うために生まれてきた永遠の幼虫──兵隊アブラムシ
18 冬を前に現れ、冬とともに死す“雪虫”──ワタアブラムシ
19 老化しない奇妙な生き物──ハダカデバネズミ
20 花の蜜集めは晩年に課された危険な任務──ミツバチ
21 なぜ危険を顧みず道路を横切るのか──ヒキガエル
22 巣を出ることなく生涯を閉じるメス──ミノムシ(オオミノガ)
23 クモの巣に餌がかかるのをただただ待つ──ジョロウグモ
24 草食動物も肉食動物も最後は肉に──シマウマとライオン
25 出荷までの四、五〇日間──ニワトリ
26 実験室で閉じる生涯──ネズミ
27 ヒトを必要としたオオカミの子孫の今──イヌ
28 かつては神とされた獣たちの終焉──ニホンオオカミ
29 死を悼む動物なのか──ゾウ

「人生をどうしめくくろうかと考えていたら出会いました。死ぬまで一生懸命、死ぬまで全力投球…。死ぬまで生きようと思います。」

「内容はみなさんが思うようなもので感動します。いろんな親がいろんな子育てをし、そしていろんな死を迎える。如何せん、絵と文章が優しいです。死というテーマを柔らかくしてくれている。かなりおすすめです。」

「セミ、サケ、ゾウと関心のある生き物の文章から、飛び飛びに読みました。サケの生態については多少知っていたのですが、改めて詳しくその様子を読んで厳粛な気持ちになりました。このようにしてサケは命を繋いでいっているのかと。セミの生き方、ゾウの死に方についてもいろいろ考えさせられました。」


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