
直木賞受賞作『鍵のない夢を見る』と連なる、圧巻の辻村ワールド!
大学進学で上京したのに、コロナ禍ですべてが狂った。
孤独感が募るなか、割のよいバイトに誘われる(「2020年のロマンス詐欺」)。
優秀ですんなり合格した長男に比べ苦戦している次男の中学受験。
〝特別な事前受験〟があると囁かれた母は(「五年目の受験詐欺」)。
人気漫画原作者・谷嵜レオのオンラインサロンは、オフ会の創作講座が大好評。
しかし、主催している紡は、谷嵜に会ったことすらない(「あの人のサロン詐欺」)。
騙す者と騙される者の切実な葛藤と後悔を描く、スリリングな短篇集。
解説・一穂ミチ
辻村 深月
1980 年2月29日生まれ。山梨県出身。千葉大学教育学部卒業。 2004年に『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、『鍵のない夢を見る』で第147回直木賞、『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。他の著作に『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』(以上、講談社)、『琥珀の夏』『嘘つきジェンガ』(文藝春秋)、『闇祓』『この夏の星を見る』(KADOKAWA)『傲慢と善良』(朝日新聞出版)など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。
「日常の中でふと魔が差してはまってしまいそうな落とし穴。気づいた時には抜け出せなくなる焦燥感、絶望感。でもその中にあるかすかな希望を感じさせてくれる。人間に対する柔かい眼差しを感じる物語。」
「この本を購入したのは一年以上前になるのですが、どういうわけか、何度も読み直しています。
「お金が欲しくて詐欺に走ってしまう」弱さ、「子供を優秀な道へ進ませたい親」の欲望、「夢中になって読んだ漫画の作者への」憧れが、嘘という形になって第3者の目に留まるようになったら、どうなるか。
それぞれの人物の心の動きが繊細に描かれていて、思わず感情移入してしまいます。加えて、サスペンスの要素満載で「こわいもの見たさ」から折に触れ、読み直してしまいます。
例は違えど、人間には「抗えない」精神的な弱さがあり、それは無意識のうちに他の形で外に現れているのかもしれません。
この本の読了後は、いつも「じゃあ、自分はどうだろう」との思いにふけります。
いろんな意味で人間ドラマを感じることができる、大切な一冊です。」「3つの短編のなかで、裏メニュー的に表現されているのが、親子の関係です。
受験詐欺の短編以外は、あっさりとしか描かれていませんが、こうあったらいいなぁという他者との
距離の取り方の第一歩は、親と子の関係性の築き方にこそあるんじゃないか、と辻村さんは私たちに
伝えようとしているのかなと、感じました。
辻村さんの扱う題材は変わってきているけれども、人の心の機微をすくい取って描くことの巧みさは
変わりませんし、繊細さ以上に、人がもつ強さを感じるようになってきています。
重くはない。だけど、軽やかさのなかに、どこか心の奥に引っかかるものが見つかる小説です。」
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