一億円のさようなら 白石一文(著) 徳間書店 (2020/9/4)

直木賞作家、文句なしの最高娯楽小説!

加能鉄平は妻・夏代の驚きの秘密を知る。

いまから30年前、夏代は伯母の巨額の遺産を相続、そしてそれは今日まで手つかずのまま無利息の銀行口座に預けてあるというのだ。

その額、48億円――。

結婚して20年。なぜ妻はひた隠にしていたのか。

日常が静かに狂いだす。もう誰も信じられない。

鉄平はひとつの決断をする。

人生を取り戻すための大きな決断を。

夫婦とは、家族とは、お金とは。

困難な今を生きる大人たちに贈る、極上の物語。

白石作品、過去最高のエンタメ度!

「娯楽小説と謳われているわけですから、それ以外の多くを求めない方にお薦めします。序盤からあっという間に引き込まれ、読み終えてしまいました。
息子や娘の振る舞いは父親からすればどうしても身勝手に感じられるでしょうし、読み手としては完全に主人公に共感するところではありますが、我が身を振り返れば完全にこの息子のような人生を歩んでおり、自らの親不孝を省みる機会となりました。
過去の暴力事件などひっかかる描写も多々あります。女性の設定はいかにも男性作家の御都合的で、未知、不可解、奇跡のような「自分が所有・管轄しえない要素」を司るような存在として登場し、初期の宮崎駿作品を彷彿とさせます。
博多や金沢の風景を想像させる紀行的な要素や、深いとは言えないまでも様々な食べ物が描かれるところは楽しめました。」

「白石一文氏らしい思慮深い内容だが、一方でストーリーはわかりやすく、また大きく動くため次々と読み進めることができた。
決して完璧ではない主人公が、家族を中心とするまわりとのさまざな関わりのなかで、どのように考え行動したか。それの展開には色々考えさせられるところがあった。」

「お久しぶりの白石一文著。
「ぼくはこの作品にまるまる2年間費やした。もうこれ以上おもしろい物語は書けないかもしれない」(白石一文)と書かれていれば、読むしかないということで。
その勢いや、詳細の描かれ方含め、読み終わってみると、言い過ぎではないと思える一冊。
一部感情移入しにくい部分もあるが、それでも読み終わった時の読了感はさすが。
ちょっと文量があるけど、小説読みたいなーと思ってる方にはオススメ。」


(クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事