1件40円、本日250件、10年勤めてクビになりました
「あと数年でなくなる仕事」
それでも現場の苦労や汗はなくならない。
検針員がえぐりだす、労働と人生のリアル。
「何の因果か即重版」の新聞コピーで話題になったシリーズの最新巻が出た!今度は各家庭の電力使用量を計る『メーター検針員テゲテゲ日記』(三五館シンシャ/フォレスト出版)。一件40円なんてまったく知らなかったし、数字を読み取る苦労も並大抵でなく、いやはや大変な仕事です。 pic.twitter.com/5djsmmBPX5
— 杉江由次 (@pride_of_urawa9) June 24, 2020
「あとで来てよ」
「えっ」
「あとで来いって言ってるだろう!」
今日は332件ある。
やっと82件目である。
同じ家に二度も来るほどのんきなわけにはいかない。
あんたね、こっちはそんなのんきな仕事をやっているんじゃないんだよ、と言いたかったが、指先は震えていた。
―私は10年間を電気メーター検針員としてすごした。その経験を書いたのが本書である。
「文章が読みやすく、おもしろく読みました。話の展開の仕方もテンポがいいです。また会話文がうまいですね。検針の人が、こんな苦労をしているとは思ってもみませんでした。鹿児島での話ですが、全国同じなんでしょうね。同業者の方はどのように読まれるのでしょうか。業務委託契約、いわゆるフリーランスだと思いますが、こうした底辺の仕事は保護してやるべきだと思いました。この本を読んだあと、家の電気メーターを見てみたらスマートメーターになっていました。検針員さんはもう来ませんが、いままで検針のことなど考えたこともありませんでした。よく吠える中型犬を飼っており、それなりの気苦労をかけてしまったと思います。ところどころ入ってくる方言もおもしろいです。またユーモアがあり、それに気づいたとき笑ってしまいました。イラストも意味がわかると笑ってしまいます。この方の明るさが現場の問題を深刻にしていません。親しみやすく、そして考えさせてくれました。私は5ツ星をつけたいと思います。」