聞く技術聞いてもらう技術 東畑開人 (著) 筑摩書房 (2022/10/11) 946円

第19回大佛次郎論壇賞、紀伊國屋じんぶん大賞2020 W受賞

『居るのはつらいよ』の東畑開人、待望の新書第一作!

分断の時代の新たな処方箋、誕生。

聞かれることで、ひとは変わる――。

カウンセラーが教える、コミュニケーションの基本にして奥義。

小手先の技術から本質まで、読んだそばからコミュニケーションが変わる、革新的な一冊。

「「聞いてもらう技術」? ふしぎな言葉に聞こえるかもしれません。その感覚をぜひ覚えておいてください。このふしぎさこそが、「聞く」のふしぎさであり、そして「聞く」に宿る深い力であって、この本でこれから解き明かしていく謎であるからです。」
――本文より

【目次】
まえがき
この本の問い/対話が難しい時代に/「聞く」を回復する/聞いてもらう技術?/いざ、「聞く」の世界へ

聞く技術 小手先編
1 時間と場所を決めてもらおう/2 眉毛にしゃべらせよう/3 正直でいよう/4 沈黙に強くなろう/5 返事は遅く/6 7色の相槌/7 奥義オウム返し/8 気持ちと事実をセットに/9 「わからない」を使う/10 傷つけない言葉を考えよう/11 なにも思い浮かばないときは質問しよう/12 また会おう/小手先の向こうへ

第1章 なぜ聞けなくなるのか
届かなかった言葉/社会に欠けているもの/聞くは神秘ではない/「対象としての母親」と「環境としての母親」/ほどよい母親/「対象としての聞く」と「環境としての聞く」/失敗とは何か/痛みを聞く/聞くのが難しい/首相に友達を/聞くはグルグル回る

第2章 孤立から孤独へ
連鎖する孤独/孤独と孤立のちがい/孤立とはどういう状態か/手厚い守り/個室のちから/メンタルヘルスの本質/他者の声が心に満ちる/安心とはなにか/孤立したひとの矛盾/一瞬で解決しない/心は複数ある/第三者は有利/個人と個室の関係/象牙とビニール/「聞いてもらう技術」へ

聞いてもらう技術 小手先編
日常編/1 隣の席に座ろう/2 トイレは一緒に/3 一緒に帰ろう/4 ZOOMで最後まで残ろう/5 たき火を囲もう/6 単純作業を一緒にしよう/7 悪口を言ってみよう/体にしゃべらせる ― 日常編まとめ/緊急事態編/8 早めにまわりに言っておこう/9 ワケありげな顔をしよう/10 トイレに頻繁に行こう/11 薬を飲み、健康診断の話をしよう/12 黒いマスクをしてみよう/13 遅刻して、締切を破ろう/未完のテクニック――緊急事態編まとめ

第3章 聞くことのちから、心配のちから
心に毛を生やそう/素人と専門家のちがい/初めてのカウンセリング/2種類の「わかる」/年をとってわかること/それ、つらいよね/世間知の没落/シェアのつながり/世間のちから/世間知と専門知の関係/心配できるようになること/カウンセラーの仕事は通訳/診断名のちから/バカになる/世間知の正体/理解がエイリアンを人間に変える/時間のちから

第4章 誰が聞くのか
対話を担う第三者/食卓を分断する話題/「話せばわかる」が通用しないとき/幽霊の話/聞いてもらおう/第三者には3種類ある/聞かれることで、人は変わる/当事者であり、第三者でもある/聞く技術と聞いてもらう技術

あとがき――聞く技術 聞いてもらう技術 本質編

これは『聞く力』の進化版!
悔しいけど、たしかに進化して、そして私たちは昔の心を取り戻す。
――阿川佐和子さん

「これには、確かにそうだなと思った。聞く仕事をしているのに、聞くことの重要性がわかっていなかった。この本を読んで、誰にも言えないと思い込んでいた悩みを、話してみようかなと言う気になった。聞ける人になって、聞いてもらえる人になって、幸せに年を重ねていきたい。」

「東畑さんの軽妙な語り口と説得力は、文章を抜き出したのでは伝わらないですね。是非、手にしてみてください。お勧めしたい一冊です。」

「最近ハイペースで著作が出版されている世間的にも注目度の高い著者で、相変わらずの読みやすさと、「聞く」問題への構造的な欠陥への慧眼など、納得できる点は十分にある。ただ、実用の看板を前面に出しながらの実践方面の弱さや、著者の他の一部作品のクオリティと比較からすれば少し物足りず、即席の感は残る。」


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