幸福な生活 百田尚樹(著) 祥伝社 (2013/12/12)

『永遠の0』『海賊とよばれた男』

国民的ベストセラー作家が魅せる超技巧!

衝撃のラスト1行!

そのページをめくる勇気はありますか?

宮藤官九郎さん「嫉妬する面白さ――」

単行本未掲載「賭けられた女」を新たに収録

「ご主人の欠点は浮気性」帰宅すると不倫相手が妻と談笑していた。

こんな夜遅くに、なぜ彼女が俺の家に? 二人の関係はバレたのか? 動揺する俺に彼女の行動はエスカレートする。

妻の目を盗みキスを迫る。そしてボディタッチ。

彼女の目的は何か? 平穏な結婚生活を脅かす危機。

俺は切り抜ける手だてを必死に考えるが……(「夜の訪問者」より)。愛する人の“秘密”を描く傑作集!

「18篇の短編集である。
幾つかのカテゴリーに分類出来る。
【殺人】
「母の記憶」「隠れた殺人」
【不倫・復讐・裏切り】
「夜の訪問者」「そっくりさん」「豹変」「ビデオレター」「ブス談義」
【狂気・恐怖】
「おとなしい妻」「幸福な生活」「残りもの」「償い」「再会」
【欺瞞】
「生命保険」「淑女協定」「深夜の乗客」
【意外な超人】
「ママの魅力」「痴漢」
【分類できない作品】
「催眠術」

いずれも人の心の闇から生ずる人生模様である。最もグロテスクで気味悪い読後感が残るのは「隠れた殺人」である。
百田作品のテーマの一つに「美しく生まれなかった女性」がある。「モンスター」がそうであり、この短編集の中の「ブス談義」がそうである。不倫の作品にも通底するが、面の皮一枚で女性を評価する男の愚かしさが笑いものにされている。
女の側も似たり寄ったりではあろうが、これは致し方無い人間の性か?私はビートたけしには全く無関心で過ごして来た。彼の初期の漫才で「ブスは死ね」とか障害者を笑いものにする漫才を聞いて呆れかえってしまったからである。
最後に傑作を一つ挙げよ、と言われたら何を選ぼうか?「淑女協定」」

「幸福の裏に隠された衝撃の事実を綴った19の短編集。また最後の一行にてビックリさせられる結末に持っていく構成力の見事さにあっぱれです。男女の恋愛、夫婦、家族、友人など、身近な事柄を日ごろの人間観察眼により、その闇にメスを入れる。どれもが傑作短編で、唸ったり、ぞっとしたり、感動したりで、やられました。」

「スパイシー&トリッキーな短編集、全19話で各話20ページ足らずの、所謂ショーショート作品集です。前作が超特大ボリュームの「錨を上げよ」だったので、百田先生にとってはある種「箸休め」的な作品だったのかもしれませんね。肩の力を抜いて、気軽にページをめくっていける作品となっています。タイトルにあるように、「幸福な生活」を主題として、様々な人間模様をシニカルに描いた本作。大半は夫婦関係を中心とした家族生活にスポットを当てた物語なのですが、しかしながら、心がほわっと暖かくなるような(例えば「輝く夜」で見られたような)優しいストーリーは殆どなく、通底するのは人間の心の闇の部分を辛辣に抉り出すような、ブラック・ユーモア溢れるものとなっています。」


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