あやうく一生懸命生きるところだった…話題の韓国ベストセラー

韓国で25万部のベストセラーとなった“人生エッセイ”。

著者は、40歳を目前にしてやりきれない気持ちが限界に達し、ノー・プランのまま会社を辞めてしまったという人物。

現在の肩書きはイラストレーター、作家です。

頑張って!(ハイハイ、いつも頑張っていますよ)

ベストを尽くせ!(すでにベストなんですが……)

我慢しろ!(ずっと我慢してきましたけど……)

これまでこんな言葉を、耳にタコができるくらい聞いてきた。 言われるがままに我慢しながらベストを尽くし、一生懸命頑張ることが真理だと、みじんも疑わずにここまで来た。そうして必死でやってきたのに、幸せになるどころか、どんどん不幸になっている気がするのは気のせいだろうか?(中略)

もう疲れた。気力も底をついた。チクショウ、もう限界だ。

そう、40歳はターニングポイントだ。そんな理由から、決心した。 今日から必死に生きないようにしよう、と。(12ページより)

とはいえ、この選択がどんな結果を生むのかは不明。

「がんばらない人生」なんて初めてなので、「これは、人生を賭けた実験だ」とも著者は記しています。さて、そんな実験は成功するのでしょうか?

その点を探るために、第4章「あやうく一生懸命生きるところだった」を覗いてみたいと思います。

少しくらい遅れたって気にすんな

自分だけ、取り残されていないだろうか…?

誰でも一度くらいは、そんなことを思った経験があるはず。

まわりのみんなはやりたいことを見つけ、なにかを追い求め、成し遂げて、どんどん先に走っていくのに、自分だけがずっと同じところにとどまっているような気がして不安になるわけです。

「取り残される」といえば、僕の専門分野だ。三浪して大学に入り、兵役のために休学もしたから、卒業したのは30歳を過ぎたときだった。

さらにその後の3年間を無職で過ごした。これだけでも、同級生より6年か7年くらいは後れを取っている。こうして20代に入った頃から後れを取り続けてきた。 いや、ひょっとしたら生まれた瞬間から後れを取っていたのかも。(中略)

だけど幸いなことに、自分が進みたい方向に少しずつだが進めている。たくさんお金を稼いで成功することだけが前進ではない。(203~204ページより)

ネットの声

「休職中、周りからは今は休むことが仕事だからゆっくり休めと言われたけれど、やはり何かしないといけないのではないかという気持ちが湧いたり、仕事をしている人を見て、こんなことしてていいのかと感じモヤモヤしていました。
この本には、
「そもそも、やる気がなくても働ける」
「何もしないとは究極の贅沢」
など、自己啓発の本にはあまり書いてないような考え方が書かれており、仕事に対してそれほど深く考えすぎる必要はないし、やる気が起きず何もできなかった日も後悔する必要はないと思え、少し気が楽になりました。

色々な自己啓発の本を読んでも気持ちが晴れないという方は読んでみると面白いかなと思います。」

「一生懸命生きない風潮は日本だけかと思っていたけど、競争社会が日本より激しいという韓国にも浸透しつつあるようだ。
村上春樹とか、漫画とか、日本のものが出てきて、あれ?この人日本人だっけ?と思ったが、韓国人らしい。親日的なのも読みやすい要素だ。
敢えて言えば、今まで一回も一生懸命生きたことのない人ではないから、もし一生懸命生きて来なかった場合、同じ選択ができるかきいてみたいところだが、40歳前で会社を辞め、風来坊で生きていく姿が潔かったです。」

「気軽に読めて哲学的。深い示唆があって、しかもオリジナル!何よりも自己啓発の本じゃないにも関わらず啓発された!ブラボー!」

エッセイですから、当然のことながら著者の経験談も豊富に盛り込まれています。

翻訳の質も高いので、読んでいるだけで(リラックスしながら)著者の話を聞いているような気分になれるはず。

その結果、「みんな同じなんだな、ゆる~くがんばろう」という気持ちになれるのではないかと思います。

ちょっと疲れたなぁと感じている方には、ぜひとも読んでいただきたい好著です。


(クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

おすすめの記事