殺し屋の息子 永瀬隼介 (著) 中央公論新社 (2022/6/21) 1,980円

お前があの男の息子なのか――? 

刑事と極道が「平成の刀狩り」に封じた過去が、時を超えて牙を剝く。

元刑事の藤原は二十年前、新宿署時代に「平成の刀狩り」で大量の銃器を摘発する大功績を挙げるも、女性関係で失脚したまま定年を迎えた。

ある日、池袋の不動産会社で強盗殺人が発生、金庫からは一億円の現金が奪われる。

容疑者は刑期を終えたばかりの昇龍会幹部・明石。

二十年前の功績は、すべてこの明石の提供によるものだった。

事件後、藤原の前に現れたのはかつての不倫相手で現・公安部係長の橘。彼女は藤原に「明石を始末しろ」と告げる……。

一方、六本木のギャングチーム「ゼウス」に所属する南部は、バイオ燃料の研究者やエンジェル投資家とチームを組み、ベンチャービジネスでの成功を夢見ていた。

児童養護施設出身で天涯孤独の南部は、「ゼウス」から足を洗うために金が必要であった。

だがある日、南部の目の前に藤原と名乗る男が現れ、顔も知らない父親の話を始める。

その瞬間、刑事と極道が封じたパンドラの箱が開き、裏社会に血の嵐が巻き起こる。

なぜ警察は明石の命を狙うのか?

そして明石の真の目的とは――?

著者について
永瀬隼介
1960年鹿児島県生まれ。國學院大學卒。週刊誌記者を経てフリージャーナリストとなり、祝康成名義で『真相はこれだ! 「昭和」8大事件を撃つ』を刊行するなど事件ノンフィクションを中心に活躍。2000年『サイレントボーダー』で小説デビュー。事件現場で培った取材力を活かし、現代の深部を抉る骨太のサスペンスや犯罪小説を発表している。近著に『帝の毒薬』『カミカゼ』『三日間の相棒』『白い疵 英雄の死』『12月の向日葵』など。ノンフィクションに『19歳 一家四人惨殺犯の告白』などがある。


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事