轢き逃げは、じつは惨殺事件だった。
被害者は森元隆一。
事情聴取を始めた刑事は、森元の妻・法子に不審を持つ。夫を轢いた人物はどうなったのか、一度もきこうとしないのだ。
隆一には八千万円の生命保険がかけられていた。
しかし、受取人の法子には完璧なアリバイが…。
刑事の財布、探偵の財布、死者の財布―。
“十の財布”が語る事件の裏に、やがて底知れぬ悪意の影が。
宮部みゆき「長い長い殺人」読了。視点が面白かった。知れる事知れない事の調整が絶妙。私の財布は何を考えているのやら pic.twitter.com/X8RXAVs85H
— ORANGE RANGE HIROKI (@OR_HIROKI) July 26, 2018
「もう四半世紀以上前の宮部さんデビュー当初の作品です。私と宮部さんは全くの同年代なので親しみがあり読みやすく彼女のファンです。今年は彼女の全作品を読破する目標で、この作品は10冊目。ある殺人事件を巡って、登場人物達の財布のつぶやきで物語は進行するのですが、非常に面白くあっという間に読み終え、最後はほろっと涙しました。ネタばれになるので詳しく言えませんが、少しでも作品に興味のあるかたにはお勧めです。」
「新鮮で初々しい気持ちで読み進めることができました。切なさ、やるせなさなどの感情を実感しました。」
「さすが天才、宮部みゆきさんらしい作品。事件関係者の行動が、擬人化された財布から語られることで浮き彫りになっていく。特に感動するのがその語り口。登場人物の所有物らしき目線と語りは引き込まれる。」
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