女芸人の壁 西澤千央 (著) 文藝春秋 (2022/11/9) 1,650円

女性芸人といえば、当たり前のように「ブス」「デブ」「非モテ」をいじられ、そこで強烈なインパクトを残すことが成功への足がかりとされてきた。

しかし、持って生まれた容姿や既婚かどうかといった社会的属性などを「笑う」ことに対して、今、世間は「NO」という意思表示をし始めている。

上沼恵美子、中島知子、青木さやか、Aマッソ・加納愛子……「個人としての感覚」と「テレビが求めるもの」、そして「社会の流れ」。

三つの評価軸の中に揉まれながら生きてきた女性芸人たちへの「文春オンライン」連続インタビュー企画「女芸人の今」を、 書き下ろしのコラム5本と特別対談を加え書籍化。

彼女たちの葛藤を通じて、日本社会における女性の立ち位置の変遷を追う。

<登場する女芸人>山田邦子、清水ミチコ、中島知子、青木さやか、ホルスタイン・モリ夫、鳥居みゆき、日本エレキテル連合、Aマッソ・加納愛子、納言・薄幸

目次
【女芸人と新時代】
Aマッソ・加納愛子 女が女にツッコむ意味
鳥居みゆき 女芸人と呼ばないで
コラム 声を上げ始めた女芸人たち

【女芸人と孤独】
山田邦子 「ブスいじり」とデビューした頃
中島知子 女性MCのむなしさ
コラム 組織を作れない女芸人たち

【女芸人とブレイク】
モリマン ホルスタイン・モリ夫 90年代のテレビといじめ
青木さやか ブレイクの呪い
日本エレキテル連合 仲良しコンビで何が悪い
コラム テレビは女芸人に何を求めてきたのか

【女芸人と逃げ】
清水ミチコ モノマネという「逃げ」
納言幸 やさぐれという「発明」
コラム 女芸人が実践した、「女」のかわし方

特別対談 Aマッソ・加納愛子×西澤千央 シスターフッドの時代
コラム 上沼恵美子論

「現在の【人を傷つけない笑い】の前の無法地帯だった社会で、女性芸人はどのように生き抜いてきたのか、そしてどのように社会に合わせてシフトしていくのか、レジェンドから若手までの率直なインタビュー、とても読み応えがあった。今回取り上げられた方々がこれからも皆それぞれのペースで頑張って欲しい、そした自分も頑張ろうと思える力を貰えました。」

「「文春オンライン」の連載をまとめた書籍だが、インタビューはウェブ連載時とは異なる順番でテーマ別に収録されており、各テーマを著者が書き下ろしのコラムで論じる構成になっている。このコラムが秀逸で、インタビューを読んだだけでは見落としてしまう女芸人を取り巻く構造を浮かび上がらせる。」


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