さらば日大! 私をクビにした日本最大の学校組織の闇 和田秀樹 (著) ブックマン社 (2024/7/2) 1,760円

「和田さんには、辞めてもらうことになりました」

――驚いて、「一体、何があったのですか」と訊くと、

「和田さんはこの前の会議の場で、根本学部長に辞めてやる、と言ったでしょう? 辞めると言ったのに、いまだに和田さんが日大を辞めていないのはどうなのか、と学部長たちがうるさいのよ」

少し面倒くさそうな声で、林さんはそう言い放ちました。――

私は2022年、日本大学の理事長となった作家の林真理子氏から同大学の常務理事にならないかと誘いを受け、同年7月に同職を引き受けました。

その時、林さんは、私にこんなふうに言ってくれました。

「和田さんみたいな“異星人”に日大の理事会に入ってもらいたい。 和田さんがどんどん意見を言えば、固定観念に囚われて新しい意見の出ない理事会が活発化するはず。だから、忌憚なくいろいろ言ってほしい」

と。

親友、林真理子氏の誘いで日大の常務理事に就任した和田秀樹。

アカハラ、暴行事件、裏金問題など相次ぐ不祥事により地に落ちた「日大」の信頼を取り戻すべく、林氏と切磋琢磨し大学を改革する……はずだった。

現実は違う。長期に亘って築かれた男だらけの内部組織。

権力を持つ者の発言のみが尊重され、下の者はただ黙るだけの会議。

メディアから「お飾り理事長」と呼ばれた林真理子氏を庇った和田秀樹は、なんと林氏本人から「クビ」を宣告される。

沈黙をまもってきた和田秀樹が今、未来のために、日大に隠された膿をすべてさらけ出す!

目次

はじめに ――私が本書を出版する理由

第一章 腐敗 ――日大アメフト部 悪質タックル事件と、田中元理事長脱税事件
不死鳥が死んだ日/渦中の選手がふるえながら記者会見/内田監督と井上コーチの自滅ボロボロ記者会見/堕落の道のりは、あの人物が理事長になってから… …/日本大学板橋病院背任事件/国民の血税が錦秀会と田中理事長に渡っていた!/田中理事長の幕引き

第二章 新風 ――林真理子氏が新理事長に就任
私という「明るさ」が大学を変えていく/とにかく林さんの力になりたかった/確かに女性理事は増えたが… …/和田さんみたいな〈異星人〉に入ってもらってよかった

第三章 亀裂 ――日大アメフト部薬物事件
知らされなかった大麻疑惑/寝耳に水の部員逮捕/空白の12日間/澤田副学長と林理事長にできた溝/旧田中派の理不尽な言い分

第四章 崩壊 ――林理事長からの辞任要求
突然の辞任要求/そんなことをあなたに頼んだ覚えはない!/ある知人女性が受けた面接/国際関係学部に名誉教授が増えない理由/残念な林理事長の陰口/もう日大とは縁を切るしかない

第五章 未来へ ――日大を辞めた今だから、言えること
林理事長は無能ではない!/医学部を改革するアイディアは無視され続けた/コロナの補助金は有効に使われたか?/コミュ障の人間はいらない!?/障害者を合格させる気はあるのか?/本気で女子学生を増やす予定はあるのか?/林理事長の苦悩もわかる/「日大村」と呼ばれ続けて/さらば、日大。それでも心は… …

【参考資料】 日大事件簿


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