昭和の参謀 前田啓介 (著) 講談社 (2022/7/21) 1,430円

石原莞爾、辻政信、瀬島龍三……「日本の頭脳」たちの栄光と蹉跌に迫る!

陸軍大学校を優秀な成績で卒業し、右肩から参謀懸章をさげ、軍の中枢で、戦略、謀略、戦術を駆使し、作戦を立案してきたエリートたち。

国家が総力を挙げて養成した俊英たちには、時に独断専行、大言壮語の形容詞がつきまとった。

はたして彼らは、どのような人生を歩んだのか。

遺族、関係者の証言をもとに、軍服を脱いだ後の生き様にも迫り、日本社会にとって、参謀とは何だったのかを考える。

「七人の参謀を通して、昭和陸軍の功罪を問う。多角的な取材で、人間像を探り、戦時下、戦後の生き方を次世代の目で活写する。

歴史の黒子である参謀のありうべき姿とはどのようなものか。

本書はその一方向を示す。歴史の評価に耐えられる参謀とは誰か!」――保阪正康氏

「かつて光を浴びた陸軍参謀たち。彼らは敗戦後の暗転した状況にどう向き合ったのか。

戦後史の見過ごされてきた一面が、豊富な資料と地道な取材によって掘り起こされる。

批判を込めながら理解しようとする取材対象との微妙な距離感がいい」――戸部良一氏

  • エリートを養成した陸軍大学校の教育とは?
  • 参謀という仕事の中身
  • 参謀本部の特権意識
  • 石原莞爾が満洲事変で火をつけた「下克上」
  • 作戦指導の中枢・服部卓四郎たちの再軍備計画
  • 「作戦の神様」辻政信の孤立
  • 瀬島龍三がシベリア抑留で得た人生観
  • 統制派の経済参謀・池田純久の「国づくり」
  • 「台湾沖航空戦」の内実を見抜いた情報参謀・堀栄三
  • 八原博通の合理主義が情緒的な精神主義に敗れた沖縄戦
  • 戦後社会はなぜ参謀を受け入れたか

「終章において著者は、「言葉の大きさ」、「一つの方向に進む純粋性」、「(限定的ではあるが)合理性」の3点から、元参謀たちが戦後社会、とりわけ経済界に広く受け入れられたと説く。このあたりの著者の洞察はなかなか鋭く、これまでの類書に見られない点である。軍事や歴史に関心のある人のみならず、広くビジネスパーソンに読まれるべき本だと言えよう。」

「昭和の陸軍参謀7名、石原莞爾・服部卓四郎・辻政信・瀬島龍三・池田純久・堀栄三・八原博通について、丁寧な取材や調査を基に迫った好著である。いずれの人物についても親族を中心に取材を行い、これまであまり光が当てられなかったような人物像を浮かび上がらせたところは高く評価されるべきであろう。」


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