「失敗」の日本史 本郷和人(著) 中央公論新社 (2021/3/6)

出版業界で続く「日本史」ブーム。書籍も数多く刊行され、今や書店の一角を占めるまでに。

そのブームのきっかけの一つが、東京大学史料編纂所・本郷和人先生が手掛けた著書の数々なのは間違いない。

今回その本郷先生が「日本史×失敗」をテーマにした新刊を刊行。

元寇の原因は完全に鎌倉幕府側にあった?

生涯のライバル謙信、信玄共に跡取り問題でしくじったのはなぜ?

光秀重用は信長の失敗だったと言える?

あの時、氏康が秀吉に頭を下げられていたならば?

日本史を彩る英雄たちの「失敗」を検証しつつ、そこからの学び、もしくは「もし成功していたら」という“if”を展開。失敗の中にこそ、豊かな”学び”はある。

「明智光秀が有能な武将であったというのは、織田家の武将の中での話であり、織田家にはろくな武将がいなかった。織田家とはただただ信長で持っていたのであり、光秀に殺されなくとも、誰かに殺されたという意見は正解と思う。信長の失敗を強いてあげれば、早いうちに信雄を処分していなかった事です。それでも織田家は滅んだでしょう。関ヶ原の時、何故上杉景勝が家康を追撃しなかったのか以前より謎であったが、謎でも何でも無く景勝も、直江兼続も単純な馬鹿という事で解決。あの時代、多少信長を理解出来た武将は松永弾正くらいであり、信長も薄々感じていたと思う。信長の弾正に対する寛大さはそんな心証の結果では。信長だけが時代と不連続な存在であった為に、全く理解されずに裏切りに次ぐ裏切にあった。信長位天才の孤独を感じさせる武将はいない。結局時代の線上あった古ぼけた、面白みのない家康が天下を取った。」

「日本の歴史上の人物がメジャーな人物、比較的マイナーな人物が最後に何をどうしくじったかを深刻にならず面白人物伝のように紹介した本。中には人間そこまで完璧には生きられないんだから仕方ないよという失敗も交じっているが楽しい人物伝として面白く読める作品。それぞれそんなにも深い内容でないので面白く楽しめました。表題の「失敗」にとらわれず軽い読み物として楽しめる一冊です。」

「登場する27人のうち、13人は本文中に「失敗」の文字が見当たりません。「『失敗』と断ずるのは正しい評価ではないと思う」(北畠顕家の失敗)や「これを氏政の失敗だとするなら、そのようにも言えるでしょう」(北条氏政の失敗)と正直に書かれています。さらに、「しかしこれは失敗なのかどうか、よくわからない」(織田信長の失敗)というのもあります。本書は、本郷和人先生の「やさしさに包まれたなら」(荒井由実)の歴史物語です。盛り過ぎの帯を外して、歴史の「もしも」を楽しみましょう。」


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