社会を変えた50人の女性アーティストたち レイチェル・イグノトフスキー(著)、野中モモ(翻訳) 創元社 (2021/4/19)

古来から女性は多くの絵画や彫刻作品のモチーフとして描かれてきましたが、女性自身が絵筆を持ち、制作チームを率いて作品を作り出し、自由なテーマで表現することは、長らく制限されていました。

「女性だから」というだけで特定のモチーフを扱うことを禁じられたり、男性中心の価値観が支配する業界で活躍の場や正当な評価を受けられないといったことは日常茶飯事でした。

現代では多くの女性アーティストが活躍していますが、現在でも、作品の評価額や展覧会において展示作品に占める割合、美術館の管理職の人数や待遇など、歴然としたジェンダーの不均衡が存在します。

本書は、美術・詩作・彫刻・写真・陶芸・建築・デザインなど、幅広い芸術ジャンルで才能を発揮し、常識にとらわれない自由な表現で社会をゆるがせた世界の50人の女性アーティストの活躍を、チャーミングなイラストとともに紹介します。

これまでにも科学技術、スポーツの世界における偉大な女性たちを讃えてきた新進気鋭のイラストレーター、レイチェル・イグノトフスキーの最新作。

彼女の「ホーム」ともいうべき芸術の世界で、人種・階級・性差別にくじけず力強くおのれを表現し、人々の心をゆさぶったヒロインたちを、人間的な魅力を引き出しながら描き上げています。

本書が取り上げるのはいわゆる「ファインアート」だけにとどまりません。

ファッションや家具、建築など実用性のなかに美を見出すデザイナーたちや、民族の歴史と伝統を未来に伝えるキルトや陶芸作家、グラフィックデザイナーやアニメーターなどごく新しいメディアを牽引するアーティストも多く登場します。

「アート」という言葉がもつ幅広さ、アートが担う役割の多様さ、そのエネルギーの大きさもひしひしと感じられるでしょう。

【本書の見どころ】
・社会から見過ごされていたものに目を向け、独創的な芸術表現に昇華させた女性アーティスト50人(+α)を紹介
・芸術家としての活動からプライベートな一面まで、トリビアもたっぷり。魅力あふれる女性アーティストの人生の物語を簡潔に学べます
・制作道具一覧や色彩・デザイン論の基礎知識、歴史年表など、楽しいコラムも収録
・原則として小学校6年生以上で習う漢字にルビつき。次世代のアーティストを応援します

【こんな人が載っています】
管道昇(詩人・画家)、ハリエット・パワーズ(キルト作家)、メアリー・カサット(画家)、ナンペヨ(陶芸家)、ビアトリクス・ポター(作家・イラストレーター)、ジャンヌ・パキャン(ファッションデザイナー)、ジョージア・オキーフ(画家)、オーガスタ・サヴェイジ(彫刻家)、リー・ミラー(写真家)、フリーダ・カーロ(画家)、メアリー・ブレア(アニメーター)、レイ・イームズ(インダストリアルデザイナー)、、草間弥生(画家・彫刻家・インスタレーションアーティスト)、ウェンディ・カーロス(作曲家)、ポーラ・シェア(グラフィックデザイナー)、ザハ・ハディド(建築家)、妹島和代(建築家)、シリン・シャネット(写真家・映画監督)など…


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