空の声 堂場瞬一 (著) 文藝春秋 (2022/11/8) 880円

まだテレビ中継がなかった時代――。

オリンピックに命を懸けた、無頼の人気アナウンサー・和田信賢。

玉音放送を担当し、NHK「話の泉」の司会で国民的人気を博したアナウンサー・和田信賢。

和田は戦後初めて日本が参加する夏季オリンピックに派遣されることが決まる。

念願のオリンピック中継だが、無頼な生き方を貫いた和田は長年の無理がたたって体調を崩していた。

「どうしても、オリンピックを中継したい」

その一心で、男は、大会の舞台ヘルシンキへと向かう。

現地から「日本人を鼓舞する」中継を続けるも次第に病は重篤になり、ついに――。

戦争に敗れ自信を失った日本人に、夢と誇りを抱かせてくれたヘルシンキ五輪。

スポーツ小説の名手・堂場瞬一が、選手以上にその生きざまに惹きつけられたという主人公の魅力とは?

「戦後始めてのオリンピック放送の担当者に選ばれたアナウンサーが異国の地で病魔に犯されながらも様子を送るが、病魔には勝てず途中でベッドに臥せってしまう。果たして、放送は日本に届いたかどうか、しっかりとした放送だったかどうかを気にしながら異国の地でなくなるという壮絶な人生だった。誰か支えがないと淋しくて仕方がないのは自分だけではないだろう。」

「山川静夫さんの著書で知った人物のことが書かれた本ですが、その時ほどワクワク面白く読めない。消化不良な感じでした。」

「和田信賢の闘病記になってしまったのは残念である。和田の「話の泉」の風景、言葉にするとどんな感じであったかまったくわからない。また和田の後継者と言われる志村名アナウンサーの実況記録。和田ー志村が放送界の金字塔になったのか。
せっかくの好材料が活かされていない。期待外れであった。」


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