スピリチュアルズ 「わたし」の謎 橘玲(著) 幻冬舎 (2021/6/23)

これは事件だ。

驚け、そして目醒めよ!

あなたは、あなたのスピリチュアルの、操り人形にすぎない。

脳科学や心理学の最新知見を使って解き明かした、この、恐るべき「スピリチュアル理論」が、「自分」や「他人」に対する理解を180度変える。

「わたし」も「あの人」も、たった8つの要素で出来ている。

人間の行動のすべてを、じつは(意識ではなく)無意識が決定している。

あなたの知らない「あなたの無意識」これを本書では“スピリチュアル”と呼ぶ。

今、世界の最先端では、すでにあなたのスピリチュアルが読み解かれ、さまざまな局面で利用されている。

世界72億の、膨大なスピリチュアルズへの未知の旅は、すでに始まっているのだ。

この事実を知って、今度はあなた自身が「自分の人生を変えられる」と気づく番だ。

「テクノロジーの波に人類が取り込まれ始めてから、仕組みのよく分からない世界で生きているという不安は日に日に増すばかりだ。世界が一瞬で繋がる世界に身体は慣れてしまったのに、その原理は説明出来ないのだ。誰もが何とか追いつこうとして知識を得ようと躍起になっているけれど、追いかけてもその先にまた新たな知識は山積みされて行く。そんな世界への不安や不満がメディアを通してモンスターのように蠢く。ポジティブシンキングも誹謗中傷も詰まるところみんな不安をかき消すための必死の抵抗だ。橘氏の、どこか突き放したようなエビデンスの羅列や硬質な理論は、収集のつかなくなった感情が渦巻く世界において確かな座標となるマトリックスを浮かび上がらせてくれる。 自分を外から見つめ、生物としての可能性と限界を意識した時、少しだけ楽に生きる道が見えて来る。あとがきによると、本書は後半部があり、いつかそれも世に出るかもしれないとのこと。
楽しみに待ちたい。」

「心理学のビッグファイブをもとに人の性質を分解していくような内容になっています。
人の判断や行動にひとつひとつ論理を通していくようでなんだか楽しいし、この知識がない人よりも人間に対してメタ的な視点に立てる内容だと思います。

ただ、昔の本よりも読みにくさや爽快感のなさを感じます。私は橘玲さんの大ファンですが、近年の著書はなんとなく実験手法や理論の類型などに紙面が多く当てられるようになっていると感じ、それが読みにくさに繋がっている感じがします。いやまあそれも大切なことではありますが、読書のエンタメ性は落ちるなあと。
昔の本よりも橘玲さんの持論や思想のような大きな物語とでも言うべき部分が減って、より厳密性が増していると思います。少しだけスタイルを変えたような印象を受けます。まあ、新刊が出たことはとても嬉しく喜ばしいことで短期間で読み切りました。今後も彼の著書を楽しみに待っています。」


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