スポーツ毒親 島沢優子 (著) 文藝春秋 (2022/5/12) 1,540円

「あの監督なら、全国大会に行ける」

部活やジュニアスポーツの現場で絶えることがない、指導者による暴力・性虐待事件。

そこには子どもを護るどころか率先して追い込み、事実を隠蔽しようとする〝毒親〟たちが存在した――。

徹底取材で描く衝撃ノンフィクション。

〈7月上旬。理子への暴力は、日本小学生バレーボール連盟(日小連)の傘下である大分県小学生バレーボール連盟(県小連)へ通報された。

そこから「誰がリークしたのか」と犯人探しが始まった。

母と娘の地獄は、そこから始まった。

7月16日18時半、町内の公民館でチームの保護者会が開かれた。

日ごろからチームの祝勝会や慰労会などを行う部屋で20数畳近い広い和室。

座布団も出されず、現役選手の親たち15人ほどがコの字型になって腰を下ろした。

Bの姿はなかった。

「悪くすれば、B先生が指導できなくなります。裏切りは許せません。このなかに絶対に(リークした親が)いると思っています」

保護者会長の男性がおもむろに立ち上がり、「一人ひとり、話を聞かせてください。

じゃあ、そっちの端から」と口火を切る。

自分がリークしていないことを証明したい親たちは、犯人探しに躍起になった。〉

(第2章より)

目次
第1章子どもに土下座させる監督に服従し続けた親たち――全国上位の少年バレーボールクラブ
第2章口止め誓約書を書かせた親たち――大分少女バレーボール暴力事件
第3章性虐待に鈍感な親たち――高校女子バスケットボール部セクハラ事件
第4章不正に手を染める高校生ゴルファー――親に抑圧される子どもたちの辛苦
第5章少年球児をうつ状態にした父――大阪府「お父さんコーチ」の懺悔
第6章少年野球当番問題――来られない親に嫌がらせをする母親たち
第7章毒を制した親たち――暴力指導を向き合った全国柔道事故被害者の会


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事