なぜ彼は、工作員として日本に潜伏したのか――。
ミステリの名手による新たな挑戦。圧巻のスケールの〈改変歴史冒険小説〉。
ロシア沿海州に開拓農民として入植した小條夫妻の次男・登志矢は、鉄道工科学校で学び、念願の鉄道技能士となった。
だが世界大戦のさなか帝国軍に徴兵されて前線へ送られ、激戦を生き延びる。
佐々木譲著『帝国の弔砲』(文芸春秋)をいただく。20世紀初頭のロシアを舞台にした歴史SF小説。史実の微妙かつ大胆な改変による見知らぬ歴史的展開は、極めてスリリング。登場する架空の兵器群も魅力的だ。「オール讀物」掲載分に別のプロローグとエピローグが追加され、主人公の活動に空想は深まる。 pic.twitter.com/aodwflNnnh
— 忍澤勉 (@oshikun) February 24, 2021
そして復員すると、帝国には革命の嵐が吹き荒れ、やがて登志矢もいやおうなしに飲み込まれていく……。
日本人の両親のもとロシアで生まれ育った男がたどる数奇な運命。
悲嘆、憤怒、そして憎悪が、運命に翻弄された男を突き動かす。
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