「海が赤くにごった日から、私は言葉を失った」
おびやかされる、沖縄での美しく優しい生活。
幼い娘のかたわらで、自らの声を聞き取るようにその日々を、強く、静かに描いた衝撃作。
生きていることが面倒くさい日々が私にあったことは、若い女の子の調査の仕事をしていると、どこかで役に立っているように思う。(……)
あれからだいぶ時間がたった。新しい音楽はまだこない。それでもインタビューの帰り道、女の子たちの声は音楽のようなものだと私は思う。だからいま私は、やっぱり新しい音楽を聞いている。
悲しみのようなものはたぶん、生きているかぎり消えない。それでもだいぶ小さな傷になって私になじみ、私はひとの言葉を聞くことを仕事にした。(「美味しいごはん」より)
最後に知るタイトルの意味――
その時、あなたは何を想うか。
上間陽子さん『海をあげる』。本を読み終わって、改めて本を眺めて考えてみる試みです。あとがきの言葉が、ずしんと響いてくる装丁。 pic.twitter.com/0O7aGVpf3D
— 水の中の三月 (@3ga2sya) November 14, 2021
「沖縄で真摯に活動する著者の姿勢がブレがなく素敵です。前著の「裸足で逃げる」もすばらしかったですが、さらに。若い女性のためのシェルターを作っていると聞きました。応援したいです。」
「感想を簡単に言葉にできないほどの感動がありました。
近年は、世界を単純化して善悪を判断する傾向が強くなっていますが、
この本は、そうした「手っ取り早い判断」に陥ることを立ち止まらせてくれると思います。」「日本全国で起きていることと思います。自分を大事にと思いますが、そういかないことが現実なのですね。風花ちゃんの、これからのこと楽しみにしています。」
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