VTuberを対象とした初の哲学書が誕生!
VTuberは中の人にも虚構のキャラクターにも還元されないという「非還元主義」に立ち、VTuber独自の存在様態を理論化しつつ、その魅力を実際の活動の例を多数挙げながら分析する。
【目次】
はじめに
第一章 VTuberの類型論と制度的存在者説
第一節 VTuberの類型論
第二節 配信者説・虚構的存在者説・両立説
第三節 非還元主義――サールの社会的存在論の観点から
第四節 VTuberのアイデンティティ論
第二章 VTuberの身体性の問題
第一節 「デュナミス」としてのVTuberと「エネルゲイア」としてのVTuber
第二節 身体的アイデンティティが欠けたVTuberに対する「シームレスな鑑賞」
第三節 VTuberの「入れ替わり事例」を検討する
現在チラズアートの最新作「新幹線0号」の配信が流行っていますが、VTuberのさくらみこさんが、「新幹線で眠っている男性の耳元でささやく」ように映すという配信上の演出を行いました。こうした工夫は非常に独創的なものですし、VTuberによるゲーム実況の魅力的な特徴の一つだと思います。#みこなま pic.twitter.com/6EcuxC7JSB
— 山野 弘樹@『VTuberの哲学』(春秋社)/『VTuber学』(岩波書店、近刊) (@Ricoeur1913) March 25, 2024
第三章 VTuberのフィクション性と非フィクション性
第一節 VTuberのプロフィール文の問題
第二節 フィクションとして提示されるVTuberの在り方
第三節 現実世界における体験談の問題
第四章 VTuberの表象の二次元/三次元性
第一節 二次元/三次元の多層性――表象媒体・表象内容・表象様式
第二節 「表象様式」の多層性――図像・挙動・移動における「二次元/三次元」
第三節 ビデオゲームの世界とメイクビリーブ――VTuberと鑑賞者が旅をする場所
第五章 生きた芸術作品としてのVTuber
第一節 「芸術形式」としてのVTuber
第二節 共同制作されるVTuber――鑑賞者からの働きかけ
第三節 「生きた芸術作品」としてのVTuber――アイデンティティを変容させる「声」
今VTuberの「loveちゃん」(キズナアイさんの新しい個性として自我を得たAI)の『新幹線0号』配信を観ていたのですが、loveちゃんも「画面に入り込んでいる」ように見せながら男性に話しかけていました。こうした取り組みが容易にできるのは、やはりVTuberの配信の魅力だと思います。#らぶたいむ pic.twitter.com/90AZOxEsMa
— 山野 弘樹@『VTuberの哲学』(春秋社)/『VTuber学』(岩波書店、近刊) (@Ricoeur1913) March 26, 2024
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