完全なる白銀 岩井圭也 (著) 小学館 (2023/2/17) 1,980円

山岳×青春×ミステリ、最大級の感動作

写真家として活動する藤谷緑里はアラスカに向かっていた。シーラと北米最高峰デナリに挑むためだ。

緑里とシーラの旧友、リタ・ウルラクは新鋭の女性登山家として名を馳せていた。

リタとシーラの故郷、サウニケは北極海に面した小さな島だが、90年代後半から地球温暖化の影響で海に浸食されている。

このままでは島は海に沈む――そんな故郷の危機を世界に知らしめる。

それがリタが登山家として名を上げようとした理由だった。

だがリタは冬季デナリ単独行に挑み、下山途中に消息を絶ってしまう。

頂上から「完全なる白銀」を見た――という言葉を残して。

行方不明となったあと、リタの言動を疑ったマスコミは彼女を<冬の女王>ではなく<詐称の女王>と書き立てた。

緑里とシーラは、リタが登頂した証を求めるべくデナリに挑むことに。

だが世界最難関の山への登攀は、一筋縄にはいかない。

ブリザード、霧、荷物の遺失、高度障害……二人の信頼関係も揺らぐ。

さまざまな困難を乗り越え、北米大陸で最も高い地へ手を伸ばす緑里。その先に見えたものとは。

極限の高地だけでなく、社会でも闘う女性たちを描きだす、気鋭の著者の新境地。

発売前から推薦の声、続々!

「山岳小説の新しい傑作がここに出現した。
読者よ、岩井圭也に瞠目せよ!」――夢枕 獏

「タイムリーなのに普遍的。
理知的なのにエモーショナル。」――恩田 陸


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