やさしい猫 中島京子 (著) 中央公論新社 (2024/7/22) 990円

家族三人で暮らしたい、

ただそれだけの望みを叶えるのが

こんなに難しいなんて

シングルマザーの保育士ミユキさんが心ひかれたのは、八歳年下の自動車整備士クマさん。

娘のマヤも面倒見のいいクマさんに懐いて、すったもんだはありつつも、穏やかな日々が続くはずだったのに……。

出会って、好きになって、ずっと一緒にいたいと願う。

そんな小さな幸せが突然奪われたのは、

クマさんがスリランカ出身の外国人だったから。

〈ハラハラしてます〉〈ラストがよかった〉〈知らないって恐ろしい〉

読売新聞連載中から反響続々

中島京子の長編小説最新刊

中島京子
一九六四年、東京生まれ。東京女子大学文理学部史学科卒。出版社勤務、フリーライターを経て、二〇〇三年に小説『FUTON』でデビュー。以後『イトウの恋』『ツアー1989』『冠・婚・葬・祭』など次々に作品を発表し、一〇年、『小さいおうち』で直木賞を受賞。一四年に『妻が椎茸だったころ』で泉鏡花文学賞、一五年に『かたづの!』で河合隼雄物語賞と柴田錬三郎賞、及び『長いお別れ』で中央公論文芸賞、二〇二〇年『夢見る帝国図書館』で紫式部文学賞、二〇二二年には『ムーンライト・イン』と『やさしい猫』で芸術選奨文部科学大臣賞、『やさしい猫』で吉川英治文学賞を受賞した。その他の著書に『彼女に関する十二章』『ゴースト』『キッドの運命』『うらはぐさ風土記』など。

「多文化社会を理解する上で、大事なケーススタディが描かれていました。外国人を排斥する意見にも、リベラルな意見にも私は与しませんが、多様なバックグラウンドの人間を理解するために、本書のストーリーは示唆に富んでいました。右や左の思想に関係なく、この世界に生きている人間を理解するための道標になりました。」

「在留資格がテーマの小説ですが、タイトルにある通り優しい語り口です。何となく不安になったので結末10ページくらい読んでハッピーエンドだと知ってから冒頭に戻って読みました。序盤は「どう進むのかな」と思うところもありましたが、些細なエピソードが後半の裁判で猛烈な攻撃力を持って機能したので胸が熱くなりました。登場人物の中では、主人公の幼なじみの秀才君がいい味出しています。」

「テレビのドラマ化がきっかけで読みました。それぞれの表現媒体が違うので当然かもしれませんが、小説は入国管理局の問題を学ぶことができ、今まで自分がいかに関心が低かったかを思い知りました。偏見と差別が咎められない社会はおかしい。グローバルという言葉だけが独り歩きして恥ずかしい国です。学校教育では江戸時代の鎖国については授業で知るものの、そこから現在の日本に横行する偏見と差別が続いていることをかんじている。ウィシュマさんのことを想いながら読んだ。いまは、読書好きの友だちに貸しています。大切な1冊にめぐり逢えてよかったです。」


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