残像に口紅を 筒井康隆 (著) 中央公論新社 (1995/4/18)

「あ」が使えなくなると、「愛」も「あなた」も消えてしまった。

世界からひとつ、またひとつと、ことばが消えてゆく。

愛するものを失うことは、とても哀しい…。

言語が消滅するなかで、執筆し、飲食し、講演し、交情する小説家を描き、その後の著者自身の断筆状況を予感させる、究極の実験的長篇小説。

「どんどん音が減っていく。だがさすが筒井康隆、彼の語彙力には人をうならせるものがある。最後の最後まで、音が減っていることに気づかせないほどの語彙力、表現力の豊かさには舌を巻いてしまう。最後のラストの畳みかけには思わず手が震えてしまって程の緊張感と旋律がある。一読をお勧めする。」

「筒井康隆の実験的小説。世界中からひらがなが段々消えていく。ひらがなが消えるとその言葉を利用していた生き物、植物、人も同時に世界から消える。そんなんじゃ小説書けないでしょと思うのだが、最後の最後まで結構イケる。小説として面白いかと言われるとまあまあとしか言えないが、作者の語彙力の多さに驚かされるとともに、人間に取って言葉の重要さが分かる。少ないひらがなでの濡れ場とかもあったりして、すごいなと呟いてしまった 笑」

「非常に挑戦的な作品。物語が進むごとに、音が一つづつ消えて行く。中盤までで、かなり音が失われているのにそれが感じられない。
解説が充実しており、最後に答え合わせ?もあるので、間違って使っている音を探しながら読むのも面白いかもしれない。」


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