火影に咲く 木内昇 (著) 集英社 (2021/8/20)

沖田総司、高杉晋作、坂本龍馬、中村半次郎……。幕末の京を駆けた志士と、想いを交わした女たち。

彼らが生きた、かけがえのない一瞬を鮮やかに描き出す珠玉の短編集。

「川というのは無慈悲なものよ。絶えず流れて一時たりとも同じ姿を見せぬのだから」(詩人・梁川星巌×妻・張紅蘭「紅蘭」)

「わしにもいつか、そねーな日が来よるかのう。日なたを歩ける日が」(長州藩士・吉田稔麿×小川亭の若女将・てい「薄ら陽」)

「死んだって、生きてるんだよ。なにひとつなくならない。あたしが、あの人を慕っていたことも、あの人があたしを何より大事にしてくれていたことも」(新選組・沖田総司×労咳病みの老女・布来「?龍」)

「女がみな、惚れたはれただけで生きとる思たら、大間違いどすえ」(長州藩士・高杉晋作×祇園の芸子・君尾「春疾風」)

「しっかし、おまんは果報者じゃ。あがな美しいおなごに選ばれたがぜ」(土佐藩士・坂本龍馬×岡本健三郎×亀田屋の娘・タカ
「徒花」)

「うちはな、中村様がほんまに好きやった。こないに心の底から人を好きになれんのや、と自分で驚いたほど、好きやった」(薩摩藩士・中村半次郎×村田煙管店の娘・さと「光華」)

以上、全六編収録

「「沖田総司、高杉晋作、坂本龍馬、中村半次郎……。幕末の京を駆けた志士と、想いを交わした女たち。」という帯から想像したものと、内容がずいぶん違いました。これだと、有名どころの恋愛模様を連想してしまうので、読んでいるうちに「あれ?」となっちゃいます。
ときどき、帯を書いている人が本当に作品を読んでいるんだろうかと疑問を覚えることがありますが、本作についても有害無益で、余計な先入観を抱かされただけでした。
文章はよいのですが、どの作品もちょっとずつ物足りなかった。」

「幕末の志士たちの女性とのかかわりを描いた短編集。恋愛だけではなくて、年の離れた友情をテーマとしたお話もあります。どのお話も切なくて、でも心がじんわりと温かくなるようなお話ばかりでした。ハッピーエンドでなくても、幸せな気持ちになれる本ってあるんですね。」

「幕末人物の物語は浅田次郎の新撰組三部作なんかは面白くて一気読みしました。が、全部で2000ページ超えてたのでもう一回読むのは気力も時間も続かない・・木内さんの短編はサクサク読めて読みやすく安定して面白いです。ぜひぜひ、続編も期待します!」


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