領収書を切らないでたまには身銭を切ることも…

「領収書ください」ではなく、気持ちよく身銭を切れるオトナになろう

夜の銀座でクラブのオーナーママとして約40年、数多くのVIPやビジネスマンを接客してきた伊藤由美ママが、頑張っているのに結果が出ない人、不運を嘆く人の共通点を指摘してくれました。

人生の価値を高めるためにお金を使えること、きれいに潔く身銭を切れることもまた「粋」な振る舞いのひとつです。

お金には「活かす」使い方と使いどきがある

お金の使い方には、その人の“人となり”や考え方が如実に表れます。

あまりにもお金に執着し過ぎて、必要なものを買うときや、自分で払うべきお金さえも出し渋る人。

自分が払うお金を減らすことばかり考え、如才なく他者の出費ばかりを当てにする人。こういう人のことを世のなかでは「ケチ」と呼びます。

決して「お金を貯めること」を否定しているのではありません。

“宵越しの銭を持たない”ような無計画でだらしないお金の使い方では、大人としての金銭感覚を疑われてしまうでしょう。

暮らしのなかで無駄を見直し、賢く節約・倹約して不必要な出費を控え、将来に備えることはとても大切です。

ただ、お金には「活かす使い方」と「活かす使いどき」があると思うのです。

お金は「欲しいものや、やりたいことを叶えるための道具」だと言われます。

道具は上手に使ってこそ、その価値を発揮するもの。道具をうまく使いこなせる人ほど成功するものなのです。

お金は上手に使ってナンボ、活かして使いこなしてナンボのもの。

そう考えれば「活かすべきときに備えて貯め、そのときが来たら潔く使う」というのが、お金に対する正しい向き合い方なのではないでしょうか。

お金には「生き金」と「死に金」の2種類あると聞いたことがあります。

生き金とは「自分にとって価値のあるお金、人生にプラスをもたらすために有効に使われるお金」のこと。

そして死に金とは「自分に価値をもたらさない、プラスにならないことに無駄に使われるお金」、さらには「貯めてあるだけで使われないお金」のことなのだとか。

もちろん何に価値を見出すか、何を人生のプラスと考えるかは人それぞれ。

ですから「何にお金をかけるか」も十人十色で当たり前です。

車が好きな人は自動車関係に。「食べるのが生き甲斐」という食通は飲食代に。

「旅こそ人生の楽しみ」という人は旅行に。

「“推しアイドル”に人生を賭けている」という人はその子を応援するために。キャリアアップしたい人は資格取得の勉強のために。語学力を高めたい人は語学学習のために。

自分が好きなこと、自分が好きなもの、自分が好きな人のために。自分がやりたいこと、自分がなりたいもの、自分が手に入れたいもののために。

こういうところに使うお金は、その人の人生を充実させ、満足度を高めてくれる価値ある「生き金=活き金」になります。

逆に言えば「生き金」を使えている人は、仕事もプライベートも活き活きと充実しているということにもなるでしょう。

「生き金」を使うことで「粋」な人生を歩めるのです

そしてもうひとつ。「きれいに切る身銭」もまた「生きた」お金の使い方だと思います。

「株式会社○○で、領収書ください」――デートで恋人と食事をしたとき、支払いの場でこんなセリフを聞くと、ちょっと幻滅してしまいます。

プライベートな友人へのプレゼントを買った人からこのセリフを聞いても、やはり同じように思うでしょう。

その方が自営業ならば、必要経費として領収書をもらうのは致し方ないかもしれません。

でも会社勤めのサラリーマンの場合はどうでしょう?

「デート代も会社の経費で」「プレゼントも会社持ちに」という発想は、周囲にセコい人、ケチな人、公私混同をする人という印象を与えかねません(いえ、実際にセコい行動だと思われるでしょう)。

身銭を切るという言葉には「自分の身体を痛めて(自分の懐を開いて)お金を使う」という意味合いがあるのだそうです。

好きな異性とのデートのとき、会社の経費で落とそうと考えるのは、他人の懐を利用して「相手への好意や恋心」をアピールしているようなもの。

果たして、相手はその発想を「うれしい」と思うでしょうか。

感激するでしょうか。

「え、こんなプライベートなことも経費として会社に請求するの?」――こう思われることは、その人の「人としての魅力」を大きく下げることになるでしょう。

その人は、その場では「自分で払わず得をした」かもしれませんが、実は、自分の価値を下げる「死に金」を使ったのと同じこと。

「好きな人に“自分が”ご馳走したい」「お祝いの気持ちで“自分が”プレゼントを贈りたい」――そう思って自分のお金で払うからこそ、食事にもプレゼントにも価値が生まれます。

それが「生き金」を使うということなのです。

私は「粋」という言葉を大切にしています。「粋」とは、節度と礼節をわきまえ、周囲への気配りを忘れず、自分の仕事に誇りを持ち、自分の人生を楽しむ――そんな立ち居振る舞いのこと。

これはお金の使い方にも言えると思うのです。

人生の価値を高めるためにお金を使えること、きれいに潔く身銭を切れることもまた「粋」な振る舞いのひとつ。ですから「生き金」は「粋金(いきがね)」でもあるんですね。

普段から「生き金=活き金=粋金」を使えていますか?

切るべきときに、潔く身銭を切っていますか?

自分の懐で付き合うべきときには、よそさまの懐を頼らず、当てにせずに気持ちよく身銭を切る。

ときには仕事かプライベートか、見方によってはどちらともとれる状況もあるでしょう。

そんなときには、あえて身銭を切るほうを選びます。

また、たとえ仕事や公用であっても、たとえ会社に請求できるようなケースであっても「ここは自分で払うべき」と思ったら潔く、気持ちよく身銭を切るのです。

それをさらりとできる人が、生き金の使い方や使いどきを知る“粋な人”だと思うのです。

お金の使い方には、その人の本質が如実に表れます。

自らを成長させるために、自らの大切な人やモノのために、ここぞというとき、きれいに身銭を切れる人は、充実した人生を歩める人だと思います。

「運と不運」には理由があります – 銀座のママは見た、成功を遠ざける残念な習慣33 伊藤由美 (著)

銀座のクラブのオーナーママとして38年間、数多のVIP、ビジネスマンと接してきた著者は、頑張っているのに結果が出ない人、不運を嘆く人には共通点があると指摘します。

自ら「不運」を招いている、何気ない日常の習慣が見て取れるというのです。

そのネガティブな習慣を把握し、意識して「鏡に向かって身だしなみを整えるかのように」修正していけば、ビジネスや人生の成功に近づくことになります。

「手の爪が汚い人」「小さな声で語尾が聞き取りにくい人」など、「目からうろこ」の32項目をピックアップし、その「整え方」をアドバイスします。

ネットの声

「今まで成功した人たちをたくさん見てきた。その一方で、左遷やリストラされた人たちもたくさん見てきた。
運が悪い人たちには気の毒だが、身から出たサビだと思う。彼らは不平不満が多く、短気なので自分でも気づかないうちに敵を作っている。ホステスさんはそういう男たちを夜の社交場で毎晩のように見ているから、運が悪い人たちの考え方や振る舞いがわかるのだろう。そういう意味では、世の中は「公平」なのだと言える。運をよくしたい人にはオススメの一冊である。」

「夜の銀座で43年間、数多くの企業人のお客さまと接してきた著者が、ビジネスの世界に身を置く読者にとって、自身を客観視するための一助になればという思いを込めて書かれた1冊です。本書で紹介されている33項目は、〝今さら感〟が強い当たり前のことばかりに感じるかもしれません。しかし、その「今さら言われるまでもないこと」が出来ていない自分に気づいていない人が少なからずいることも歴然とした事実です。

「運・不運」とは自分自身の習慣や行動、立ち居振る舞いという「必然」によってもたらされるという、「普遍的な仕事の原理原則」を本書を通じて改めて再認識させていただきました。」

「日々の何気ない振舞いが運勢の良し悪しを分ける、と実感させてくれる本。精神論ではなく、「男性でも爪の先をきれいにしているかどうか」といったような、具体的な行動面で、読者が自身を振り返ることができるのがいい。激しくおすすめ。」

 

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