2022年に亡くなった上島竜平。
享年61歳でした。
ダチョウ倶楽部で大ボケ担当。
上島竜平を慕う後輩芸人は多く、
何かにつけて上島竜平が話題にのぼります。
2023年の紅白歌合戦の司会を務めた有吉弘行もその一人。
というよりも上島竜平の薫陶をもっとも受けたのが有吉弘行でした。
目次
出過ぎない司会で高評価
「偉大な先輩方の背中を追いかけてやってみましたけど、まだまだ遠いなと思いました。少しずつゆっくり頑張っていきたいと思います」
噛みしめるようにこう語ったのは、有吉弘行。
大みそかの風物詩『第74回NHK紅白歌合戦』で初めて司会を務めた有吉は、大トリ・MISIA（45）を紹介する前に感慨深そうに初司会への思いを口にしました。
殊勝なコメントを見せた有吉ですが、『紅白』司会は初めてながら、これまで数々のバラエティ番組でMCを務めてきた手腕をいかんなく発揮。
ネットでは「有吉さんの出すぎない司会大変良い」「有吉さんの司会最高でした」と称賛が相次いだのです。
歴史を振り返っても、黒柳徹子、中居正広、内村光良といった日本を代表するタレントだけが務めることのできる『紅白』司会。
レジェンドたちと肩を並べ、今やテレビで見ない日はない有吉ですが、ずっと順風満帆だったわけではありません。
猿岩石でデビューしてブレイク…低迷後に再ブレイク
1994年に「猿岩石」のボケ担当としてデビューすると、『進め！電波少年』（日本テレビ系）でのヒッチハイク旅企画で人気に火がつきます。
1996年に発売したデビュー・シングル「白い雲のように」がミリオンセラーを記録。
芸歴3年目で大ブレイクしたのです。
しかし、その栄光は長く続かず、仕事が激減。
月収がゼロになることも。
芸能界の容赦ない厳しさを見せつけられた有吉ですが、
救いの手を差し伸べる人物が。
所属事務所・太田プロの大先輩であるダチョウ倶楽部の上島竜兵でした。
「事務所の芸人間の繋がりが希薄なことに危機感を抱いた上島さんは、先輩後輩問わず声をかけ、都内の居酒屋で飲み会を開催。この会は『竜兵会』と呼ばれ、有吉さんも毎日のように参加して、ご飯やお酒をごちそうに。当時はお金がなかったので、帰る際にもらうタクシー代を使わずに、生活費にまわしていたといいます。
『竜兵会』は基本的に“無礼講”で、後輩が先輩に何を言っても面白ければ怒られることはなかったそうです。そこで、有吉さんは上島さんや松村邦洋さんといった先輩たちにツッコんだり、イジったりして、“面白い！”と仲間内で評判に。“毒舌キャラ”の下地は『竜兵会』で作られたと言ってもいいでしょう」（芸能関係者）
「竜兵会」での活躍が評判を呼び、徐々に仕事も増えていくことに。
そして、2007年8月の『アメトーーク！』（テレビ朝日系）で品川庄司の品川祐に言い放った「おしゃべりクソ野郎」が大ウケ。
このことから“毒舌キャラ”として再ブレイクを果たします。
その後の活躍ぶりは誰もが知るところでしょう。
何本ものレギュラー番組やCMを抱える“トップ芸人”に返り咲いた有吉ですが、上島さんへの恩は決して忘れませんでした。
「不遇時代はほぼ毎日のように一緒に過ごしており、上島さんは『何でお前は面白いのに売れないんだろう』『月30万やるから、仕事せずにいつも俺のそばにいてくれ』などと有吉さんを励まし続けたそうです。踏みとどまれたのは、上島さんの支えがあったからでしょう。
番組でイジられることも多い上島さんですが、有吉さんはそうした恩から『上島さんのことを馬鹿にされると怒りのスイッチが入る』と語っていました。また夏目三久さんと結婚した際は真っ先に報告し、上島さんが還暦を迎えた際は高級時計をプレゼントするなど、恩人として慕い続けていました」（前出・芸能関係者）
上島竜平がいなくなって世の中がつまらなくなった
固い絆で強く結ばれた2人。
しかし、2022年5月11日、上島竜平は61歳という若さで突如この世から去ってしまいます。
普段は決して人前で涙を見せない有吉ですが、訃報直後のパーソナリティを務めるラジオ番組では声を震わせて上島さんへの思いを語っていました。
有吉は22年の『第73回NHK紅白歌合戦』に純烈とダチョウ倶楽部とともにゲスト出演。
「白い雲のように」を熱唱。
そして、今年ついに司会を務めました。
司会就任について、有吉は「NHK首都圏ナビ」のインタビューでこう語っています。
《司会に選ばれたときはすごく驚いたけれど、去年のことがあって、不思議な縁だなと思ったんですね。
僕が何かいいこととか、うれしいことがあったら、必ず上島さんが電話をかけてきてくれていたので、電話が震えるたびに、上島さんから電話がかかってきたんじゃないかなと思って、結構ね、何回か確認したりとかして、ちょっと不思議な感じでしたね。
きっとまた『いいぞいいぞ、大丈夫だろう』って言ってくださっていると思うので、本当にもう真面目に頑張ります》
大役を立派に勤め上げた有吉。上島さんはこれからもずっと見守り続けていることだろうー―。
ケツメイシ「友よ ? この先もずっと…」
ネットの声
「上島さんという人はその芸風を見る限り、とても大変な芸風であり、バカにされて笑われることが仕事になっている。あれは芸にプライドがないとできない芸風であり、私のように中途半端なプライドしかない人間にはできない。その芸風の影に苦労したご自身の経験から後輩や先輩に対する愛情が深いんだと思う。
有吉さんもきっとそのイズムを継いで影で売れない芸人を支えているんだと思う。」「上島さんは、肥後さん共々、有吉さんに目をかけてくれていたという。
実際、肥後さんは「有吉を養子にしたい」というくらいだし、上島さんだって「大丈夫だ」といって、不遇の時代の有吉さんに何かと面倒をみたというし。
去って行く人も目の当たりにしたけど、居てくれた人たちを有吉さんは大事にして、義理堅く思っているんじゃないかな。
でないと、芸人さんとして面白いだけじゃなくて、今も走り続けられないと思うし。
上島さんもきっと、天国で喜んでくれているんじゃないかな。」「有吉は上島竜兵だけじゃなくて、ウッチャンとかさまぁ～ずにも助けてもらったって意識があるから、有吉の壁とかみてても後輩芸人に対してすごい愛があるよね。
先輩にして貰ったことを、今度は自分が後輩にしていこうって思いがあるんだろうね。」
