江夏の21球よりも田口の20球のほうがすごいと思う

「江夏の21球は凄くもなんともない」バッサリ斬り捨てた名将の「腑に落ちる論理

79年11月4日の日本シリーズ第7戦、広島VS近鉄で、江夏豊(広島)が9回裏に投じて日本一を決めた21球…のちに「江夏の21球」と言われた伝説の投球があります。

凄くもなんともない

これをなんと「凄くもなんともない」と斬り捨てた人物がいたのです。

元巨人監督の藤田元司です。

1981年からの3年間と、89年から4年間の2期にわたって指揮を執り、リーグ優勝4度、日本一2度を達成。まさに名将です。

ある時、藤田監督から「江夏の21球」について「お前、どう思う?」と質問されたことがあると明かしたのは、元巨人の角盈男氏。

お前は絶対に満塁にしない

角氏は次のように答えました。

「江夏さん、ボクの尊敬する人だし、ああいう風になりたいなと思う人なので、凄いです」

すると藤田監督は、なんとも意外な言葉を返してきたというのです。

「江夏がノーアウト満塁で出てきてあれをやったら、オレも凄いと思う。あいつ、自分で勝手に満塁にして、勝手に抑えたやろ。それ、凄くも何ともないやろ。お前は絶対に満塁にしない」

「すげぇ嬉しかったね、ああいうのは」と角氏は懐かしく振り返っていました。

田口の20球のほうがすごい

藤田監督は角氏を鼓舞するために「江夏の21球」を引用したのでしょう。

その甲斐あって、角氏は81年に最優秀救援投手に輝き、藤田政権1年目の日本一に大きく貢献しました。

江夏の21球は確かに自作自演の独り相撲…これはこれですごいのですが、田口の20球はノーアウト満塁からマウンドに上がっての無失点。

どっちがスゴいのか…江夏の21球は優勝を決める場面だっただけに誰もが知っているシーンですが、田口の20球はもっとしびれましたね。

ネットの声

「以前水島新司さんが「『江夏の21球』は自分で招いた満塁ですからね。あれが他のピッチャーが作った満塁を切り抜けたんだったら本当にかっこいいんだけど」みたいなことを仰ってましたけど、 田口の20球 はまさにそれだったからな」

「「田口の20球」とやらは、見てないんですが、凄かったんだろうと思う。思うけど、江夏さんの21球が凄いのは、ノーアウト満塁のピンチを自分で作っといて自分で鎮火させてるんですよ。しかも日本シリーズ第7戦の九回でね。史上最強の自作自演ということです。」

「田口選手。ノーアウト満塁から登板して…それにしても万波選手は今、日本ハムで一番怖いバッターですね。あと思い出したのは日本シリーズのオリックス小林投手とオマリー選手。江夏の21球は山際さんの本でしか知らないんですよね。」

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