円楽さんの急逝で一門が存亡の危機?
兄弟子・好楽は「アイツに怒られないようにしないと」
9月30日に肺がんのため72歳で死去した落語家の六代目三遊亭円楽。
顔役だった円楽の存在感は大きく、残された円楽一門会は存亡の危機に立たされているというのですが…。
目次
円楽一門会の経緯
ざっと45年前、1978年のこと。
六代目円生が真打昇進問題を巡って当時、落語協会会長だった五代目柳家小さんと対立。
円生一門は落語協会から脱退し、落語三遊協会を設立しました。
いわゆる「落語協会分裂騒動」である。
ところが翌年、円生が急死。
残された一門の五代目円楽らは、80年に大日本落語すみれ会、のちの五代目円楽一門会を設立し、今に至ります。
本日の国立演芸場「五代目円楽一門会」~六代目を偲ぶ会?
終演後の記者会見です??
お客様が帰った後なので、なんとなく皆んなのんびり??#三遊亭円楽 #三遊亭好楽 #五代目円楽一門会 #国立演芸場 pic.twitter.com/80ItSBUsDo— 三遊亭竜楽 (@sanyuteiryuraku) October 28, 2022
他団体とのかすがい役も
その円楽一門会が存亡の機に立たされているようです。
「笑点」でも顔役だった六代目円楽が9月30日、肺がんのために72歳で死去したからです。
さるベテラン演芸記者が言います。
「円楽一門会は真打だけでも38名を数えますが、客を呼べる噺家はそう多くありません。これまでは、五代目円楽の総領弟子、鳳楽に加えて好楽、円橘、それに六代目円楽の“四天王”が一門を支えてきました。特に円楽は顔が売れており、高座に上がれば寄席は満席、まさに一門には欠かせない大きな存在でした」
円楽の果たした役割は客寄せだけではありません。
「他団体とのかすがいの役も担っていました。特に同じ『笑点』メンバーで4年前、81歳で亡くなった落語芸術協会(芸協)の桂歌丸と深い親交を結んでいたことで知られています」(同)
その歌丸は芸協の会長を長らく務めていました。
「二人の間で円楽一門が芸協に合流するという話も出ていたようです。ですが、その件も円楽が亡くなったとあっては、立ち消えにならざるをえないでしょう」(同)
本日は国立演芸場「五代目円楽一門会」
?六代目を偲ぶ会?私は座談の司会
ただ今、トリの好楽師匠熱演中
それを聴く鳳楽師匠#五代目円楽一門会 #三遊亭円楽 #三遊亭好楽 #国立演芸場 pic.twitter.com/Y0cpEEKM5W— 三遊亭竜楽 (@sanyuteiryuraku) October 28, 2022
「円楽さんの出番がない時は…」
残された幹部クラスも鳳楽が75歳、好楽と円橘も76歳と、いずれも高齢です。
円楽一門会の両国寄席に10年ほど通うというファンの一人も、
「円楽さんの出番がある時は、寄席も超満員になりますし、私だって何回も笑わせてもらいました。ですが、出番がない時は50席ほどのスペースに3人しか客がいない、なんてことも……」
そして一門には大名跡、円生の襲名問題も難題として残されています。
かいつまんで言えば、五代目円楽が生前、鳳楽に円生の名跡を継がせようとしたものの、円生の遺族や直弟子の反対に遭い、襲名話は頓挫したままなのです。
「六代目円楽は円生の名跡を残さねばならないという使命感を持っていた。自身がその襲名に前向きであると自著にも記したほどです。円楽亡き後、現時点では誰も後継者に名乗りを上げていません」(前出・記者)
他団体との合流、寄席の集客、大名跡の襲名といずれも難問を残したまま、円楽はこの世を去ってしまいました。
円楽一門に関するYahooニュースのコメント勢にちょこちょこ落語口調の人がいてクスッとする??
それも6代目円楽師匠のお人柄と実力なんだろね??一門の問題が円く納まりますように…
— おさとう (@sugarshine101) October 29, 2022
ジタバタしちゃいけない
そこで「笑点」ではピンクの衣装でおなじみ、好楽師匠に聞くと、次のように一門の未来を語りました。
「大きな看板がなくなると不安になるものだけど、楽ちゃんが亡くなっても、ジタバタしちゃいけないってみんなを諭しました。六代目円楽の穴は埋めなきゃいけませんが、若い人たちの中にもすごい子はいます。これからは、その子たちを売り出していきたい。そのために自分自身にも鞭を打たなきゃって思います」
襲名問題については、
「円生は大名跡。それを残すのは我々の務めだって楽ちゃんが思ったのは、すごくいい考え。それは今、残された私の役目です。円楽や円生の後継者は我々五代目円楽一門会にしか作れません。うちの名跡だから、責任重大ですよ。六代目円楽の抱えていた宿題を、私が抱えて生きていかなきゃなんない。みっともないことやったら、“兄さん、いい加減にしろよ”って、アイツが上から怒ってくる。名跡については(六代目円生の)お孫さんともお話をしています」
久しぶりに笑点を見る。次のメンバーは協会的には円楽一門会だけど別から選ばれそう。
わさびか昇也かつる子かあたりかな。— 北習志野 (@kitanarashino) October 23, 2022
ネットの声
「三遊亭好楽さんは、圓生一門分裂後に移籍してきた方で、圓生襲名問題の直接の当事者ではないことが、橋渡し役に合っているかもしれません。
このままにしておいて良いわけではない、という認識は一致していると信じたいですから、円楽さんが始めた分裂した一門の和解に向けた取り組みを継続してほしいと願っています。」「偉大な名席の継承問題に遺族の影が見えるのが問題なんだろうねとは思う。
落語は完全な世襲制ではないのだから、格のある人間が名席を継ぐようにしていかないと三平一門のように鼻につく一門になるし、プレッシャーが三木助のような悲劇も生む。柳昇師匠のご子息のように違い業種に行く人もいる。
噺家の名席は相応しい人が継承する。もしそれが空席を生むとしても、それが良いと思うな。」「本当に円楽さんが亡くなった事が信じれない。円楽さんは復帰する為に本当に必死にリハビリをしてる姿を見た時,こちらが辛くなった。8月の復帰公演のリハーサルの時も浴衣が自分では着れず苦労してて円楽さんらしくなく弱音をはいたりもしてた。8月の公演は無事なにもなく出来て良かったです。でも,脳梗塞の副作用である失語症などから本当に話すのが辛そうだった。それと左の腕が脱臼で痛そうだった。笑点で円楽さんの代わりを急がないでさがしたら良いと思う。本当に笑点メンバー全員,健康面に気をつけて欲しいです。」