三菱のギャランシリーズΛ(ラムダ)がかっこよかった

三菱「ギャランΛ(ラムダ)」デビュー。斬新なスタイリングで登場した個性派2ドアハードトップ

ギャランΣをベースにしたスポーティモデルのギャランΛ

1976(昭和51)年10月26日、三菱自動車は半年前に発売したセダン「ギャランΣ(シグマ)」をベースにした2ドアハードトップの「ギャランΛ(ラムダ)」を発表、発売は11月から始まりました。

「ギャラン・2ドアハードトップ」および「GTO」の市場を引き継いだスポーツモデル、それがギャラン・ラムダです。

1976年発売のギャラン・ラムダ

ギャランのイメージチェンジを図ったギャランΣ

三菱の基幹モデルのギャランは、1976年の3代目でΣ(シグマ)のサブネームをつけて発売されました。

ラムダの半年前にデビューしたギャラン・シグマ、ヨーロピアンなスタイリッシュのセダンは人気に

ギャランΣは、それまでのギャランの特徴であった走りの良さやタフネスさでなく、ソフトさや豪華さを強調したヨーロピアン風イメージに変貌しました。

エンジンは1.6L&1.8L&2.0L直4 SOHCの3機種が設定。2.0Lエンジンには、4気筒特有の2次振動を抑えるサイレントシャフトが装着され、6気筒並みの静粛性を誇りました。

また、当時世界で最も厳しいといわれた昭和53年排ガス規制についても、三菱独自の技術で乗り越えました。

他社が排ガス規制対応に追われ新型車がなかなか投入できない中で、新鮮なスタイリングと豪華な内装でまとめたギャランΣは、ヒットモデルとなりました。

ギャランΣに続いてスポーティなギャランΛも人気モデルに

落ち着いた雰囲気のセダンΣに対して、ギャランΛのスタイリングは驚くほど斬新でした。

1976年発売のギャラン・ラムダの後ろ外観、リアウインドウがサイドまで拡大

センターピラーレスの2ドアクーペボディに、スラントノーズの流麗なサイドラインを組み合わせ、斜めに切り落とされた尖角ノーズに角型デュアルヘッドライト、ロールバールーフ、リアウインドウを側面まで広げたラップアラウンドリアウインドウなど、すべてが個性的でした。

内装についても、国産車初の1本スポーク式ステアリングや、ヘッドレスト内蔵リクライニング式フロントシート、後席シートも2名掛けと3名掛けのバケットタイプを採用。

さらに、タコメーターと燃費計が切り替わるスイッチや電動式リモコンミラー、パワーウインドウなど、装備も斬新でした。

ラムダを印象付けた1本スポークと円形メーター

パワートレインは、サイレントシャフト付2.0L直4 SOHCの1&2バレルキャブ仕様のエンジンと、3速ATおよび5速MTの組み合わせ。駆動方式はFRでした。

ギャランΛは、その個性あふれるスタイリングが大きな話題となり、順調に売り上げを伸ばしたセダンのギャランΣとともに、若者の注目を集めて順調に滑り出しました。

三菱自動車の誕生による重工のイメージからの脱皮

三菱重工の自動車部門として、軽自動車「ミニカ」や「コルト」シリーズが順調な販売を記録し、1968年には三菱重工の売上高に占める自動車部門の割合は、30%近くまで高まっていました。

一方で、国内メーカーの競争が激化する中、自動車メーカーとしての確固たる地位を確保し、さらに国際競争力を高めるため、1970年に三菱重工から分離独立して三菱自動車が誕生しました。

それまでの三菱の自動車は、良くも悪くも質実剛健的なイメージ、地味なイメージがありました。

独立を境に、若者をターゲットにしたギャランGTOとギャランクーペFTO、ラリーでも大活躍したランサーなどを投入、これらにギャランΣとギャランΛが加わり、三菱のイメージは大きく変わっていったのです。

ギャランΛは、その後もモデルチェンジによって進化し続けましたが、1980年代に入ると高出力、高機能時代が到来、他社から個性的なモデルが続々と登場。

トヨタ「ソアラ」や日産自動車「シルビア」、ホンダ「プレリュード」など、名車が誕生する中で、ギャランΛの存在が徐々に薄れてしまいます。

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