貨車じゃないよね?座席撤去に困惑…JR九州

JR九州の座席撤去に困惑…1車両で最大4割「通勤1時間以上、立ちっぱなしに」

ドア付近の座席撤去が進む

「JR九州の列車の座席が撤去され、困っています」。

複数の福岡県在住者から、西日本新聞「あなたの特命取材班」に投稿が寄せられました。

JR九州によると、撤去理由は当初、「ドア付近の混雑回避」だったのですが…。

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大で列車の乗客数が減る中、車両数を見直して経費削減にもつなげていく方針だそう。

利用者からは厳しい意見が多く寄せられています。

JR九州によると、車両の一部座席撤去は2021年3月から始まりました。

主に長崎線、鹿児島線、日豊線で運行する「813系」の普通電車(快速運用を含む)が撤去の対象です。

21年12月末時点で、31編成(1編成は3両)93両の改造が終わり、営業運転に入っています。

最終的には今年9月末までに、813系の全82編成246両のうち、約6割に相当する153両で撤去する計画です。

撤去は1編成で計48席、1車両当たり16席を目安としています。

813系は1両40~50座席(最大56席)の仕様となっており、多いケースでは一つの車両で「4割削減」にもなるそう。

撤去理由は何か

JR九州は当初から「特に通勤、通学時間帯で、乗降ドア付近の混雑緩和とスムーズな乗降が目的だ」と説明。

813系は、列車の進行方向に向かって着座するクロスシートを採用しており、壁と平行に座席を配置したロングシートの車両に比べると通路幅も狭くなっています。

普通車両の中で最も保有数が多く、混雑緩和などの改善効果も大きいとして813系を選択したとしています。

一方で、22年1~3月の同社の旅客収入(定期券を除く)は、新型コロナ感染拡大前(19年度比)の約50%に落ち込む見込み。

座席撤去により、1車両当たりの「乗車可能な人数」が2割程度増える効果があり、輸送能力を一定程度維持しながら、保有する車両数を全社的に減らすことも期待できます。

そのため今後は「813系の座席撤去を前提に、全社的な車両数の削減を検討する」(広報部)方針ということです。

利用者からの切実な声はJR九州にも寄せられている

「以前は座れていたのに、座れなくなった」
「遠距離通勤で1時間以上立ちっぱなし。疲れる」
「高齢者や妊婦などが座れていない(座席を譲ってもらえない)」

座席下にあったヒーターも一緒に撤去され、車内温度が低下したとの批判もあります。

JR九州は「コロナ対策の換気促進の影響もありそうだが、ヒーター撤去の悪影響は出ている」と説明。

配線工事を新たに行い、ヒーター機能の改善を一部で進める方針を示します。

JR九州は「座席数の減少で着座機会の減少など、ご不便をおかけする面もあるが、ご理解をいただきたい」としています。

ネットの声

「以前は座れていたのに、座れなくなった」

「遠距離通勤で1時間以上立ちっぱなし。疲れる」

「座って読書ができない、寝られない」

「ほとんど向かい合わせの席となり、コロナ対策ならば意味がなく、元に戻して欲しい」

「なぜ乗客の少ない時間帯に運行するのか」

「高齢者や妊婦などが座れていない(座席を譲ってもらえない)」

おすすめの記事