HONDA CB750 空冷4発は日本バイクのスタンダード

ホンダが世界に誇る「CB」という称号を冠し、ナナハンの象徴として君臨し続けてきたのがこのCB750(RC42)です。

1992年に登場したこのモデルは、空冷4気筒エンジンの魅力を最大限に引き出し、多くのライダーを魅了してきました。

開発のコンセプトは「究極のスタンダード」であり、それは2008年の生産終了まで一度もブレることがありませんでした。

派手な最新装備こそありませんが、そこにあるのはバイクとしての純粋な機能美と、信頼のメカニズムです。

教習車として採用されていた実績からも分かる通り、その扱いやすさは大型二輪クラスの中でも群を抜いています。

しかし、単なる「初心者向け」という枠に収まらない奥深さがあるのも、このCB750の面白いところです。

ベテランライダーが最後に辿り着く「上がりバイク」として選ばれることも多く、その懐の深さは計り知れません。

空冷エンジンの冷却フィンの美しさは、現代の水冷エンジンでは決して表現できない造形美を誇っています。

また、2000年代に入ってからの排ガス規制に対応しながらも、そのパワーフィールを維持し続けたホンダの技術力には脱帽します。

2008年の最終モデル「スペシャルエディション」は、今や中古市場で新車価格を超えるほどのプレミア価格で取引されています。

たとえ時代が電動化や電子制御へと進んでも、このCB750が放つ存在感は、日本のバイクシーンにおいて永久不滅と言えるでしょう。

これから大型バイクに乗りたいと考えている方にとっても、このバイクは最も良質な経験を与えてくれるはずです。

メンテナンスパーツの供給も、ホンダの看板車種だけあって比較的安定しており、今から手に入れる価値は十分にあります。

この記事では、そんなCB750(RC42)の魅力をスペックやユーザーの声から徹底的に掘り下げていきます。

読むほどに、あなたが次にガレージに迎えるべき一台が、このCB750であることを確信していただけるでしょう。

どんなバイク?

CB750(RC42)は、一言で表すならば「空冷直列4気筒ネイキッドの完成形」と呼ぶにふさわしいモデルです。

エンジンの形式は、空冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒で、排気量は伝統の747ccとなっています。

このエンジンは、かつてのCBX750シリーズをベースに改良され、圧倒的な耐久性と静粛性を手に入れました。

最高出力は75馬力と控えめに見えますが、その数値以上に中低速域でのトルクが非常に厚く設定されています。

信号待ちからの発進や、高速道路での追い越し加速において、ライダーがストレスを感じる場面は皆無と言っても過言ではありません。

フレーム構造は、伝統的な鋼管ダブルクレードル形式を採用しており、しなやかな乗り心地を実現しています。

フロントには39mm径の正立フォーク、リアにはリザーバータンク付きのツインショックを装備し、クラシックな外観を損なっていません。

ブレーキシステムには、フロントにダブルディスク、リアにシングルディスクを採用し、確実な制動力を提供します。

特筆すべきは「油圧式バルブラッシュアジャスター」の採用で、これによりタペット調整が不要になり、維持の手間が軽減されています。

デザイン面では、大型の丸目ヘッドライトに、メッキ仕上げのメーターケース、そして左右出しの2本出しマフラーが特徴です。

この2本出しマフラーは、バイク全体のバランスを整えるだけでなく、重厚感のあるサウンドを奏でる重要な要素となっています。

タンク形状も、ライダーの膝が自然にフィットするニーグリップしやすいフォルムになっており、長時間のライディングでも疲れにくい設計です。

1992年の登場から2008年まで、基本的なシルエットを変えずに作り続けられたことが、このデザインの完成度を証明しています。

2004年のマイナーチェンジでは、マルチリフレクターヘッドライトや盗難抑止システム「H・I・S・S」が搭載され、実用性がさらに向上しました。

流行を追うのではなく、時代を越えて愛されることを宿命づけられたバイク、それがこのCB750なのです。

HONDA CB750のインプレッション

CB750のシートに跨がってみると、まずその「ちょうど良さ」に驚かされることでしょう。

シート高は795mmと、標準的な体格の日本人であれば両足がしっかりと地面に着く安心の設定です。

走り出した瞬間に感じるのは、エンジンの回転が極めてスムーズで、シルクのような滑らかさを持っていることです。

アクセルを大きく開けなくても、クラッチを繋ぐだけで車体がスルスルと前に進む感覚は、大排気量マルチエンジンならではの特権です。

街中でのライディングでは、その素直なハンドリングが真価を発揮し、車重235kgを感じさせない軽快な動きを見せます。

交差点での右左折やUターンにおいても、低速トルクが粘り強いため、エンストの不安を感じることなく操作に集中できます。

ワインディングに持ち込むと、CB750は「スポーツバイク」としての側面もチラリと覗かせます。

過激なパワーこそありませんが、タイヤの接地感が掴みやすく、コーナーの出口に向けてじわりと加速していくのが最高に気持ちいいです。

サスペンションの設定はどちらかと言えばコンフォート寄りですが、その分路面の凹凸を上手く吸収し、ライダーを疲れさせません。

高速道路での走行も快適そのもので、100km/h巡航時のエンジン回転数は約4,000回転程度と、余裕を持った走りが可能です。

カウルがないため風圧は受けますが、安定感のある車体のおかげで、長距離移動も苦になりません。

ブレーキのタッチも非常にコントローラブルで、握った分だけしっかりと効いてくれる安心感があります。

夜間の走行では、2004年以降のマルチリフレクターライトであれば、照射範囲が広く視認性も十分に確保されています。

燃費についても、大型バイクとしては優秀な部類に入り、ツーリング時にはリッター20kmを超えることも珍しくありません。

総じて、どんなシチュエーションでも80点以上の答えを出してくれる、非常に優等生な乗り味と言えるでしょう。

HONDA CB750のスペック

スペック項目 詳細データ(RC42型)
全長 × 全幅 × 全高 2,155mm × 780mm × 1,100mm
ホイールベース(軸間距離) 1,495mm
最低地上高 130mm
シート高 795mm
車両重量(装備重量) 235kg
エンジン型式 RC17E型 空冷4ストロークDOHC4バルブ4気筒
総排気量 747cc
内径(ボア) × 行程(ストローク) 67.0mm × 53.0mm
圧縮比 9.3 : 1
最高出力 75ps / 8,500rpm
最大トルク 6.5kgf・m / 7,500rpm
燃料供給方式 キャブレター (VE型)
燃料タンク容量 20リットル(予備4リットル含む)
クラッチ型式 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 常時噛合式5段リターン
キャスター角 / トレール量 26°00′ / 91mm
ブレーキ型式(前) 油圧式ダブルディスク(2ピストンキャリパー)
ブレーキ型式(後) 油圧式シングルディスク(1ピストンキャリパー)
タイヤサイズ(前) 120/70ZR17 (58W)
タイヤサイズ(後) 150/70ZR17 (69W)

みんなのインプレッション

CB750を愛するライダーたちの、生の声をお届けします。

『教習車で大型免許を取った時からの憧れでした。実際に購入してみると、街中からツーリングまでこれ一台でこなせる万能さに驚いています。』

『空冷エンジンの造形は、何度見ても惚れ惚れします。最近のプラスチックパーツが多いバイクとは違い、鉄とアルミの質感がたまらなく良いです。』

『派手な電子制御はありませんが、右手のひねり一つで自在に操れる感覚は、このバイクにしかありません。バイクの基本が全て詰まっています。』

『20リットルの大容量タンクのおかげで、長距離ツーリングの際も給油の心配が少なくて済みます。旅の道具として最高の性能です。』

『中古で購入しましたが、ホンダ車らしく非常に丈夫です。オイル交換さえ定期的にしていれば、何万キロでも走り続けられる安心感があります。』

『左右出しの純正マフラーから響く重低音がお気に入りです。うるさすぎず、それでいて4気筒らしい咆哮を楽しめる絶妙なセッティングです。』

『身長が低い方ですが、足つきが良いため立ちゴケの心配がほとんどありません。大型バイクの威圧感を感じさせないフレンドリーさが魅力。』

『生産終了してだいぶ経ちますが、どこへ行っても「綺麗なCBだね」と声をかけられます。日本人にとって、これぞオートバイという形なのでしょう。』

いかがでしたでしょうか。HONDA CB750は、ただの「古いバイク」ではありません。

日本の道を知り尽くしたホンダが、ライダーのために用意した究極の解答の一つです。

このバイクと共に過ごす時間は、あなたのバイクライフをより豊かで深いものにしてくれるはずです。

中古市場でも状態の良い個体は減りつつあります。もし心が動いたのなら、今が手に入れる最高のタイミングかもしれません。

この記事が、あなたのバイク選びの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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