
KAWASAKI ZRX1200Rは、2001年に登場し、日本のビッグネイキッドブームを牽引した名車です。
前身であるZRX1100から排気量を拡大し、フレーム剛性を強化することで、より豪快かつ安定した走りを手に入れました。
「男カワサキ」を象徴するような硬派なスタイリングと、角型ヘッドライトのビキニカウルは、往年のZ1000R(エディ・ローソン)を彷彿とさせます。
2008年の排ガス規制強化に伴い、惜しまれつつも生産終了となりましたが、その後継は国内専用モデルのZRX1200 DAEGへと引き継がれました。
しかし、キャブレター車ならではの荒々しい吸気音や、ダイレクトなレスポンスを求めるライダーからは、今なお絶大な支持を得ています。
中古車市場でも価格は高騰傾向にあり、特に最終型や特別仕様車はプレミア価格で取引されることも珍しくありません。
ZRX1200Rの魅力は、単なる懐古趣味ではなく、現代の交通事情でも十分に通用する高い走行性能にあります。
リッターオーバーのトルクフルなエンジンは、街乗りから高速巡航、ワインディングまで、あらゆるステージでライダーを満足させてくれます。
今回は、そんな伝説のビッグネイキッド、KAWASAKI ZRX1200Rについて詳しく解説していきます。
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どんなバイク?
ZRX1200Rは、カワサキの水冷4気筒リッターネイキッドの完成形とも言えるモデルです。
エンジンは、世界最速を誇ったZZ-R1100のパワーユニットをベースに、中低速重視のセッティングが施されています。
このエンジンの特徴は、メッキシリンダーを採用することで放熱性と耐久性を高め、軽量化も実現している点です。
車体構成においては、スチール製のダブルクレードルフレームに、特徴的なトラス構造のアルミスイングアームを組み合わせています。
この「ブリッジ付きトラススイングアーム」は、ZRXシリーズのアイコン的な存在であり、見た目の迫力だけでなく、リア周りの剛性確保に大きく貢献しています。
また、ZRX1200Rの最大の特徴であるビキニカウルは、高速道路での風圧を効果的に軽減し、長距離ツーリングの疲労を抑えてくれます。
シート下にはクラス最大級の収納スペースが確保されており、カッパやU字ロックなどが余裕で入る実用性の高さも魅力の一つです。
2004年モデルからはイモビライザーが標準装備され、盗難対策も強化されました。
カラーリングは、カワサキ伝統のライムグリーンをはじめ、ブラックやブルーなど多彩なバリエーションが展開されました。
特に「ローソンレプリカ」カラーは人気が高く、ZRXと言えばこの色を思い浮かべる人も多いでしょう。
基本設計がしっかりしているため、カスタムベースとしても非常に優秀で、現在でも多くのアフターパーツが流通しています。
ZRX1200Rのインプレッション
実際にZRX1200Rに跨ると、その車格の大きさと重量感に圧倒されるかもしれません。
しかし、一度走り出してしまうと、その重さは嘘のように消え去り、驚くほど軽快なハンドリングを見せてくれます。
特に低回転域からのトルクが凄まじく、アイドリング+αの回転数でもグイグイと車体を前に押し出してくれます。
この分厚いトルクのおかげで、Uターンや渋滞路などの極低速走行でもエンストの恐怖感が少なく、大型バイク初心者でも扱いやすいと感じるでしょう。
5速ミッションであることをネガティブに捉える声もありますが、溢れるトルクのおかげで頻繁なシフトチェンジは不要です。
ズボラに高いギアに入れたままでも、アクセルを捻れば怒涛の加速を味わうことができます。
コーナリング性能も高く、見た目の武骨さとは裏腹に、ライダーの入力に対して素直にバンクしてくれます。
サスペンションはフルアジャスタブルとなっており、自分好みのセッティングに調整できるのも嬉しいポイントです。
高速道路では、ビキニカウルの防風効果を実感でき、ネイキッドバイクとしては快適なクルージングが可能です。
また、キャブレター車特有のアクセルレスポンスは、自分の右手とエンジンが直結しているようなダイレクト感があり、操る楽しさを存分に味わえます。
振動に関しては、4気筒らしいスムーズさがありつつも、適度な鼓動感が残されており、バイクに乗っているという実感を高めてくれます。
足つき性もこのクラスのバイクとしては良好で、シートの絞り込み形状のおかげで足が出しやすくなっています。
ZRX1200Rのスペック

| 全長×全幅×全高 | 2,120mm × 780mm × 1,150mm |
|---|---|
| ホイールベース | 1,465mm |
| 最低地上高 | 135mm |
| シート高 | 790mm |
| 車両重量(乾燥) | 224kg |
| エンジン型式 | 水冷4ストローク DOHC 4バルブ 並列4気筒 |
| 総排気量 | 1,164cc |
| 最高出力 | 95ps / 7,500rpm(2004年以降) ※初期型は100ps |
| 最大トルク | 10.3kg-m / 3,500rpm |
| 燃料供給方式 | キャブレター(KEIHIN CVK36) |
| トランスミッション | 常時噛合式5段リターン |
| 燃料タンク容量 | 19.0リットル(後期18L) |
| タイヤサイズ(前) | 120/70ZR17 (58W) |
| タイヤサイズ(後) | 180/55ZR17 (73W) |
| ブレーキ形式(前) | ダブルディスク(6ポットキャリパー) |
| ブレーキ形式(後) | シングルディスク |
みんなのインプレッション
『とにかくトルクの塊のようなエンジンで、どの回転域からでも強烈に加速していく感覚がたまりません。街乗りでは5速固定でオートマのように走れるので意外と楽です。』
『取り回しは正直重いです。駐車場から出すときは気合がいりますが、走り出せば驚くほど軽くなります。このギャップにやられました。』
『シート下の収納スペースが広くて感動しました。カッパと車載工具を入れてもまだ余裕があります。お土産を買っても入れられるのでツーリングには最高です。』
『燃費はリッター15kmから18kmくらい。タンク容量が大きいので航続距離は十分です。ハイオク仕様なのは少しお財布に痛いですが、この楽しさなら許せます。』
『足つきが良いので、身長165cmの私でも安心して乗れます。ただ、ハンドルが少し遠く感じるので、セットバックスペーサーを入れて調整しました。』
『高速道路ではビキニカウルが良い仕事をします。ネイキッドなのに100km/h巡航が苦になりません。スタイルもこれぞカワサキという感じで所有欲を満たしてくれます。』
『ブレーキの効きに関しては、初期型は6ポットキャリパーですが、整備性が少し悪いです。効き自体は必要十分ですが、マスターシリンダーを変えるとタッチが劇的に良くなりました。』
『古いバイクなので電装系やゴム部品の劣化は気になりますが、パーツ供給はまだ豊富なので維持はしやすいです。カスタムパーツも山ほどあるので、自分だけの一台を作る楽しみがあります。』

