
【21世紀生まれ初受賞/第48回すばる文学賞受賞作】
危険な小説だった。それでも、ここにある描写が好きだ。――田中慎弥氏(選評より)
新宿駅東口。退廃的で無秩序。
私はこの現実で、彼女のために何ができる――?
『王』と自称する男が捕まった時、七瀬は「あ」と言った。
私は、その幽かな叫び声を隣で聞いた。
ここはつまらない奴らばっかりがいる場所だけど、七瀬だけは違う。
だから、彼女の隣にいても息苦しさは感じなかった。
薬で強制的に引きずり込まれた夢の中でも、七瀬は現れる。
もしかしたら私は、彼女とこの場所に、まだしがみついているのかもしれない。
これは、2007年生まれの若き著者が贈る、
終わってる世界で生きている「私たち」の物語。
樋口六華『泡の子』集英社
身体と心の闇を抱え、不器用にもがき生きている人が見えているのに、見つめ返せない時代があるとすればとても残酷なことだと思う。
著者は冷静な刃をもって切り裂き、血だらけになりながら様々な生を取り上げ世界に掲げる。我々はその光景に目を背けてはいけないはずだ。 pic.twitter.com/n5CxSUVICD— 山本亮 (@ryamaokina) December 26, 2024
【著者略歴】
樋口六華(ひぐち・りっか)
2007年生まれ。茨城県在住。
2024年「泡の子」で第48回すばる文学賞を受賞しデビュー。
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