イヤミスの枠を超えた衝撃作!
誰にも愛されない女がふたり、殺害された…。
事件の背景にあるのは、貧困の連鎖か、家族の崩壊か。
大どんでん返しのノワールミステリーの幕が上がる。
東京都中野区で、二人の若いシングルマザーが相次いで射殺された。彼女達は、ともに売春を生業としていた。
フリーライターの木部美智子は、自分が追う企業恐喝事件と、連続女性殺害事件の間に、意外なつながりがあることに気がつく。
やがて、テレビ局には「三人目の犠牲を出したくなければ二億円を用意しろ」という脅迫状が送られてきて――。
貧困の連鎖と家族の桎梏、目をそむけたくなる社会の暗部を、周到な仕掛けでえぐり出すノワールミステリー。
大どんでん返しの圧巻のラストは、息つく暇なく一気読み必至。
蟻の棲み家/望月諒子
重苦しくどす黒い。面白かった。文章めちゃくちゃ巧い。ただ比喩表現が多すぎて読みにくいなと思った。それら比喩もめちゃ巧いんだけど「物語上ピックアップすべき言葉でなく比喩として持ち込まれた言葉」が多すぎて、読み速度を落とす気がした。じっくり読みたい人向き。 pic.twitter.com/HNHqgrzDU9
— ふるかわいおり (@iori_mistake) September 27, 2022
「どうしようもない環境や、選べない道や道徳など、なんの足しにもならない希望など、ない人達は、確かに存在しているし、生きていこうとしている。悪循環の迷路の中で、孤独で、死と背中合わせで。この筆者は、真っ直ぐに偏見なくいろんな人を見る。色眼鏡ではなくて、そこが世論の見方のお手本のように。木部シリーズにはまり読みたいが、そろそろ単行本の字も読めなってきた。電子書籍にしてもらわないと、もう好きな読書もできない。紙媒体は大切だろうが、読む人達の事も考えて欲しい。いつかは全て電子化されるのだから。」
「久しぶりに木部美智子が登場する。やあ、木部さん元気でしたか、と挨拶したくなる。彼女は「電車の中を見回せば一人はいる女性」だが、事件に素直に立ち向かう。衒いや傲りはない。だから、この作品のような「えぐい」世界でも、読者はすっと入って行ける。ミステリーとしては、ラストが一級品。探偵が美智子でなければこんなオチにはならなかっただろう。
それにしても、デビュー作以来、約20年。美智子は歳をとらない。不思議だ。」「私自身は日本の貧困の状況についてはWEBで見た知識しかないので,作者の描く世界が真実なのかどうかはわからない.しかし,圧倒的な描写力で,ありありとその世界を構築し,その世界に引きずり込まれて,一気に読んでしまった.
親として身につまされるラストも秀逸.」
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