第30回松本清張賞受賞作
この小説は、選考委員への「挑戦状」だ!
衝撃のデビュー作。
1つの街を舞台に描かれる、5つの世界は、少しずつ重なりあい、影響を与えあい、思わぬ結末を引き起こす。
すべてを目撃するのは、読者であるあなただけ。
推理小説/青春小説/科学小説/幻想小説/恋愛小説
5つの物語は、5度世界を反転させる。
森バジルを読めば「世界が変わる」
【選考委員 選評より】
阿部智里
5つの同じで異なる世界!
その構成に気が付いた時、「正気か」 と目を疑った。辻村深月
抜群のきらめきに満ちていた「青春小説」パートは見事だった。米澤穂信
小説というものに必死に手を伸ばした作者の叫びが聞こえた。森絵都
チャレンジ精神と熱量の高さがすばらしい。森見登美彦
「読者だけが知っている」そんな構造を楽しんでほしい。
「松本清張賞の作品はハードルが高いのかと思っていましたが、読んでみると、良質なエンタメ小説本でした。
買ってよかったです。
第1章で、読者が違和感を抱くレベルの雑なサスペンス小説なのかと思わせて、ラストで読者の心を一気に鷲掴み。
そこからは、作中の巧妙な仕掛けにより一気ににエピローグまでたどり着いてしまいました。
群像劇が好きな方でこの作品が嫌いな方は、おそらく存在しないのでは?
作中の仕掛けがなかったとしても、青春小説などは特に単体で読んで十分なレベルのクオリティに仕上がっています。思わず涙しそうになりました。
最後に、舞台設定が 2023 年であることを踏まえると、このレビューを読んだ方は是非、今すぐ買って読んでほしい作品です。なんせ、5種類の短編が1冊にまとまっており、非常にお買い得!」「読了して、帯にあるキャッチフレーズ「この小説は、選考委員への挑戦状だ」という言葉に深く納得。章ごとに異なる小説ジャンルを、一見バラバラの世界観で描きながらも、次々と物語が連鎖していく。途中で感じた印象的なセリフや、ちょっとした違和感が伏線となり、クライマックスに至る爽快感は見事の一言。新人賞ならではの意欲作で、特定ジャンルを超え、エンタメ小説の新しい形に触れた気がしています。文体も非常に読みやすいので、長編小説ながらあっという間に読了してしまいました。また、全五章の中で、選考委員の辻村深月さんが絶賛していた「青春パート」が、個人的に凄く好みでした。」
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