ある男 平野啓一郎 (著) 文藝春秋 (2021/9/1) 902円

愛したはずの夫は、まったくの別人であった――。

「マチネの終わりに」の平野啓一郎による、傑作長編。

弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。

宮崎に住んでいる里枝には、2歳の次男を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった。

長男を引き取って14年ぶりに故郷に戻ったあと、「大祐」と再婚して、新しく生まれた女の子と4人で幸せな家庭を築いていた。

ところがある日突然、「大祐」は、事故で命を落とす。悲しみにうちひしがれた一家に、「大祐」が全くの別人だという衝撃の事実がもたらされる……。

愛にとって過去とは何か? 幼少期に深い傷を負っても、人は愛にたどりつけるのか?

「ある男」を探るうちに、過去を変えて生きる男たちの姿が浮かびあがる。

第70回読売文学賞受賞作。キノベス!2019第2位。

【2022年映画公開決定!】
妻夫木聡・安藤サクラ・窪田正孝
ほか日本を代表するオールスターキャストが集結。
監督は『蜜蜂と遠雷』の石川慶。

「”書く”というより”描く”がしっくりくる。凡人には捻り出せない知的で天才的な比喩を交えた奥行きのある描写で、あたかもその場所に連れて行かれるようななんともいえない不思議な感覚」

「自分の人生だけでは知ることのなかった、人生を取り替えたい人の気持ちを想像することが出来ました。罪人の子や差別を受けて育った人達は、自分は何も悪くないのに生まれつき人生で苦労しています。戸籍を取り替えて幸せな人生を送れるなら少しは救われます。」

「うかつでした。『日蝕』以来、何となく敷居が高かったのですが、こんな東野圭吾や吉田修一みたいな作品も書いているんですね。楽しく読めました。言葉ひとつひとつが丁寧で、やさしさと普遍性があり、いろいろな箇所をメモしながら読みました。」


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