ボニン浄土 宇佐美まこと (著) 小学館 (2023/7/6) 902円

島だけが、すべてを見ていた。

1840年、気仙沼から出航した五百石船・観音丸は荒天の果てに、ある島に漂着する。

そこには、青い目をした先住者たちがいた。

彼らは、その地を「ボニン・アイランド」と告げた。

時を隔てた現在。すべてを失った中年男は、幼少期、祖父が大切にしていた木製の置物をふとしたことで手に入れた。

それを契機に記憶が蘇る。

彼は、小笠原行きのフェリーに足を向けた。

その船には、チェロケースを抱えた曰くありげな少年も同乗していた。

物語は、ゆっくりと自転を始める。


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