防衛大学校 國分良成 (著) 中央公論新社 (2022/8/9) 2,200円

知られざる学び舎の実像

前防衛大学校長が描く、知られざる学び舎の実像!

8人1部屋の全寮制。朝6時にラッパで起床。

髪型、恋愛、外出の規則。

朝から夜までみっちりと詰まった「日課時限」と、陸海空1005時間の実践訓練……。

世間一般には、大学といえばモラトリアムともいわれる緩んだ期間だが、国防のために寸暇を惜しんで学び続ける若者たちがいる。

厳しい日々にもかかわらず、多くの卒業生は「生まれ変わっても防大に入りたい」と口をそろえる。

他者のために生きるプライドを秘めた人材を育成する学び舎の実像、そのすべてを前防衛大学校長が語りつくした。

■本書の目次(一部抜粋)■
はじめに 防大学校長九年の思い
・密かなコンプレックス
・「持ち場を捨てるな」
・卒業生たちの部隊に赴き、感謝の気持ちを噛み締める
・時代がようやく自衛隊に追いついてきた
・複雑化する自衛隊の任務と防大
・大学としても士官学校としても少し中途半端
・チャレンジ精神に火がついた

第1章 防大の日本的特殊性 大学でも士官学校でもない
・横須賀で学ぶ2000人の防大生
・学力だけでなく徳力や体力も採用基準
・なぜ「大学」「大学院」と名乗れないのか
・学生の8割弱が理系である理由
・陸・海・空を統合した特殊な「士官学校」
・自衛隊との結びつきが弱い「士官学校」
・11カ国から長期留学生を受け入れる
・防大主催の国際士官候補生会議と防大生の海外派遣

第2章 防衛大学校の三大行事と11種競技
・入校式。親御さんとの「今生の別れ」にもらい泣き
・開校記念祭。「防大、どうだい」の衝撃
・観閲式、空挺降下、儀仗隊のドリル、棒倒し……
・卒業式。帽子を天高く投げて、走り出せ!
・任官辞退、任官拒否
・11種競技。「リョウセイ」コールがこだまする
・演劇祭、ビブリオバトル、クロスカントリーなど

第3章 防大の教育と訓練
・国防論教育室、戦略教育室、統率・戦史教育室
・居眠りは世界の士官学校の共通課題
・伝統芸能、文化芸術、読書のススメ
・英語教育は、まさに死活的に重要な課題
・第1志望はパイロット
・1005時間の実践訓練

第4章 防大生の日常生活
・8人1部屋の学生舎生活
・6時、ラッパの音で起床
・髪型、恋愛、外出の規則
・部活動としての校友会
・二人の学生を失う
・詐欺事件といじめ
・上級生による威圧的指導の禁止

第5章 防衛大学校の原点
・戦前の陸軍士官学校
・防大誕生に関わった3つのグループ
・士官学校卒の米軍顧問団の助言
・戦中の精神主義を排した吉田茂
・校長紹介の仲人役として貢献した小泉信三
・槇智雄初代学校長の誕生

第6章 槇智雄初代学校長の願い
・学生から絶大な支持を受けた槇学校長の教育理念
・「国の独立を見失うての平和は何の意味ももたない」
・学生の「自主自律」
・慶應義塾時代の槇智雄の挑戦と挫折
・厳しかった草創期の防大カリキュラム
・防大の「学生歌」と「逍遥歌」
・槇学校長が退任時に述べた「更迭」という言葉
・槇学校長以後の防大

第7章 防衛大学校長の仕事とは
・学校長の「日課時限」
・内局との折衝に気を遣う
・全国で展開される防大生の訓練視察
・潜水艦、護衛艦、攻撃用ヘリに乗る
・広告塔として
・任官辞退者から多額の寄附をいただく
・フランス、スウェーデン、米国へ
・タイ、ベトナム、ポーランド
・フィリピン、東ティモール、韓国、モンゴル
・ミャンマー、ラオス、カンボジア

第8章 防衛大学校の未来を考える
・防大を取り巻く環境の変化
・知・徳・体。知的武装を求めて
・「新たな高みプロジェクト」。防大3つの課題
・「さらなる高みプロジェクト」(100年ビジョン)
・100年の夢に向けて
・大学ランキングと防大
・世界一の「士官学校」を目指す。その7つのポイント

あとがき

「限られた生活環境、閉ざされた空間での実態が手に取るようにわかる本。実際に入学はしなくても、ある程度疑似体験感を味わえる本である。」

「9年間学校長を勤めた著者の国分氏が自分が生まれ変わったら防衛大学校に入りたいと言わせている防衛大学校の学部、学生の生活を赤裸々に書かれているのは興味津々たるものが感じられる。」

「意外にあっさり読み終えた。どっちかと言えば防衛大とか自衛隊について知らない人向け、通過儀礼的に書かれてる本だと思った。そうでない人には、ヌルく感じるかも。」


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