分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議 河合香織(著) 岩波書店 (2021/4/8)

クラスター対策に3密回避。

未知の新型コロナウイルスに日本では独自の対策がとられたが、その指針を描いた「専門家会議」ではどんな議論がなされていたのか。

注目を集めた度々の記者会見、自粛要請に高まる批判、そして初めての緊急事態宣言……。

組織廃止までの約四カ月半、専門家たちの議論と葛藤を、政権や行政も含め関係者の証言で描くノンフィクション。

「誰もが国の政策を批判するが、いったい、どこで間違え、なにを間違えたのを知りたくて手にとりました。誰もが職務に誠実に、人を思い、国を思って、リスクを背負って取り組まれている一方で、組織のしがらみ、職業的に染み付いた価値観にコンフリクトがあり、ひとつの決定にも時間がかかるのだなと理解できました。
結局は、正解なんて誰もわからないわけで、今回、まさにこの本がそうしているように、誰が何を判断して、どうなったのかを記録し、次世代を担う人、後世の人に参考にしてもらうしかないんですね。最前線で戦ってくれている方々に深い敬意を感じることができた1冊でした。」

「感染拡大が始まった当時、専門家たちがどのように考え、苦悩し、行動していたのか。政治はどう動き、役人は何をしていたのか。
綿密な取材に裏付けられた当事者の動きや考えまでもが、リアルな文章で蘇ります。
形を変えて、現在も続く、感染症と専門家等の闘いの様子が興味深く、当時、義務でもないのに、さまざまな専門家たちが、いち早く対応していった現実に驚きます。
良書。」

「尾身会長が専門家の矩をこえたと騒がれているが、それは今に始まったことではなかった、前のめりになった原点を知ることができた。
専門家の印象が180度変わる。
パンデミックの同時代を生きているからこそ、読むべき価値のある本だろう。」


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